アプリでも視聴可能(無料)

ペヤングとのコラボ商品は驚きの「麺なし」 カット野菜"日本一"企業の創業商品は、まさかの「ラムネ」

食卓の強い味方“カット野菜”。使い切りサイズで手軽とあり、市場規模は年々右肩上がりで伸びている。特に売れているのが、「サラダコスモ」が出している「ニラ野菜 炒め用ミックス」だ。
「サラダコスモ」は、岐阜県中津川市にある観光スポット「ちこり村」も運営。レストランには地元食材を使ったメニューが80種類以上もあり、連日多くの人でにぎわっている。人気は、やはり野菜を使ったメニューだ。

国産野菜にこだわり、新しいチャレンジを続ける「サラダコスモ」だが、その歴史は決して順風満帆なものではなかった。ここでは「サラダコスモ」の知られざるエピソードを紹介する。


【動画を見る】「カット野菜」売り上げ日本一の「サラダコスモ」。存亡の危機を救ったのは…!?

“漂白するモヤシ”に異を唱えた経営者


「ニラ野菜 炒め用ミックス」をはじめ、さまざまなカット野菜を加工している「サラダコスモ 養老生産センター」では、約90人が働いている。昼休み、食堂には「サラダコスモ」の社長を務める中田智洋さんの姿が。数々のチャレンジで業界に新しい風を吹き込んできた異端の経営者だ。




1945年、父・年雄さんがラムネを製造する「中田商店」を創業。ラムネが売れない秋と冬、副業として始めたのがモヤシ栽培だった。当時は、モヤシを見栄えを良くするため漂白することが一般的だったが、これに異を唱えたのが現社長の智洋さんだ。




「モヤシは白いと新鮮でおいしく見えるんです。でも、モヤシを漂白するなんてことはしない方がいいに決まっている」。そこで、漂白剤を使わない白くないモヤシを作ろうと決意。子どもたちが安心して食べられるように、無添加・無漂白のモヤシを製造し、注目を集めた。その後、法律によってモヤシの漂白は禁止に。中田社長が業界のスタンダードを変えるきっかけを作ったのだ。



1986年には長野県に新工場を建設し、生産量が増加。会社の売り上げは右肩上がりに。さらに、モヤシに続く経営の柱としてスタートさせたのが、カイワレ大根の栽培だ。モヤシに負けないほどの商品に育て上げ、経営の一翼を担うように。


大ピンチを救った社員の提案と恵那峡の地下水

経営は順調そのものに見えたが、突如、会社の存亡を揺るがす出来事が起きる。



1996年に、「O157事件」が発生。カイワレ大根が原因では?との疑いが出たため消費は一気に落ち込み、全国のスーパーからカイワレ大根が消えるという事態に。最終的に原因は特定されなかったものの、中田社長によれば、カイワレ大根の売り上げは8割ダウンし、その状態が5~6年続いたという。「私の44年の会社運営の歴史の中では、一番つらい時期でした」。

二本柱の一つを失い窮地に陥ったある日、社員がブロッコリースプラウトの栽培を提案する。ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽で、当時流行の真っただ中にあった。最初は「今さら流行りに乗っても…」とためらったものの、中田社長はあることに気付く。



当時、「サラダコスモ」の工場は岐阜県中津川市にあり、恵那峡の豊富な地下水を使用していた。この水を使えば、品質の良いブロッコリースプラウトを栽培できるはず…中田社長は確信する。



こうして作り上げたブロッコリースプラウトは見事ヒットし、新たな主力商品になった。



「あの事件があった後、すぐに社員たちからいろいろな提案がありました。新しいものにかける思いは、つらさを忘れさせてくれました。しかし今思えば、あのつらい時期があったらからこそ、今日があると思っています」(中田社長)。

そんな「サラダコスモ」が、去年と今年、発売した2️つの新商品がある。



それが「ペヤングソースやきそば」とのコラボ商品、「ペヤングやきそば風もやし炒め」と「ペヤング激辛MAXもやし炒め」。「ペヤング」のソースが封入されており、焼きそばの代わりに、手軽に“焼きそば風”のモヤシ炒めができるユニークなコラボ商品だ。パッケージには、「本品に麺は入っておりません」としっかり注意書きも。

常に消費者に寄り添い、安全・安心な商品を提供している「サラダコスモ」。日本の食卓に貢献するため、今もなお、新たな挑戦を続けている。


番組概要

番組名:工場へ行こう III AMAZING FACTORY
出演者:(ナレーション) 平泉 成、城ヶ崎祐子
公式ホームページ:https://tv-aichi.co.jp/koujou3/
放送日時:毎月第1土曜午後