吉田鋼太郎さん「目玉焼きは半熟にならないと食べない」 映画『おいハンサム!!』源太郎パパの裏側
6月21日(金)に全国公開される映画『おいハンサム!!』。人生に迷う三姉妹と猪突猛進な父、マイペースな母をめぐる伊藤一家のドタバタ劇を描いたホームコメディーです。主人公である父・伊藤源太郎を演じた吉田鋼太郎さんに、伊藤家の裏側や本作の見どころについて話を聞きました!(聞き手/テレビ愛知アナウンサー 長江麻美)
●まさか映画化するとは思っていなかった
『おいハンサム!!』は2022年に連続ドラマがスタート。2024年4月にはシーズン2が放送され、視聴者の想像の斜め上を行くコメディータッチが話題に! 今や映画化にまで発展しました。
――映画化を聞いたときはどのようなお気持ちでしたか?
「『まさか! 映画になるの?』と思いましたね。映画はものすごくお金もかかっていて、ドーンと派手な演出のイメージがあります。『おいハンサム!!』は大事件が起きるわけでもなく、すごく号泣して、感涙にむせぶようなラストシーンがあるわけでもありません。『映画にしていいのかな?』という半信半疑な気持ちはありました」
――実際映画にしてみて、いかがでした?
「とても面白かったですね~。こんな映画はないと思います。日常を描く作品だけどエンターテインメントになっていて、最後は考えさせられる映画にもなっています」
――映画館で、私も含めて色んなところから笑い声が聞こえてきました。
「ほんとに? めちゃうれしいです! 映画館で笑い声を聞くと一体感が生まれて、幸せな気持ちになりますよね」
●お気に入りのシーンは、プールで説教
――お気に入りのシーンは?
「プールに入って、みんなに説教するシーンが大好きです。ただ、あのシーンは大変でした。とはいえ演じていてカタルシスがあるので、『大変』と『楽しい』の両方の気持ちがありましたね。
あと、ナンシーさん(アナンダ・ジェイコブズさん)とのロケが楽しかったです。外国の方なのでコミュニケーションに手こずるのかと思ったけれど、問題ありませんでした! 非常にクレバーな優しい方で、楽しくお芝居ができた良い思い出の1つです」
――どんなお話をされましたか?
「日本のことに詳しいんです。『このお店知ってる?』とか『どの辺でいつも飲んでるの?』など話しましたね」
――撮影の雰囲気はいかがでしたか?
「ワクワクしながらやっていました。山口雅俊監督がものすごい天才で、普通の人が考えつかないようなシーンを生み出すんです。みんな『俺たちはすごく良いものを撮っているんじゃないか』『すごいものが出来上がるのでは』と期待していました」
――楽しそうですね!
「みんなが今どこで何を撮影しているか僕も分かっていなくて。今、木南(長女・由香役/木南晴夏)はどこにいるのかな、とか一緒に撮影するときに会って『どうしてる? 順調?』みたいな。みんながそれぞれで頑張っていて、どんなシーンを撮影しているのか想像していましたね」
●伊藤家の裏側は「口数が少ない」
――伊藤家の裏側について教えてください。
「映画の中の伊藤家はわちゃわちゃしていますが、裏側はみんな割と粛々と口数も少なく、理路整然としていました」
――それは意外ですね!
「そうでしょ? 女性の方が集まるとにぎやかになったり、このお店のケーキがおいしいと話したりするじゃないですか? まったくなりませんでした。みんな粛々と台本とにらめっこして、出番が来たら『はい、やります』という感じでした」
――面白いシーンばかりでしたが、撮影中に笑ってしまうことはありませんでしたか?
「多々ありましたね。例えば、武田玲奈さん(三女/伊藤美香役)の「お父さん何言ってんの?」という表情だったり、木南晴夏さんがあまりの不幸さに泣いちゃったりするようなシーンは毎回面白いです。あと、お母さんの『そうね、そうね』なんかも面白いですね」
――演じていて印象に残っているシーンは?
「『えんぴつが一本』という歌が出てくるんですよ。僕も久しぶりに聞いたんです。50年ぶりか、それ以上かもしれない。子どもの頃に感じたことが、そのままよみがえりました。『一本の鉛筆で何書こう』って。何にもないところから、一本の鉛筆ぐらいのところから生み出せるんじゃないの? 自分ももっと行動したほうがいいんじゃないの? とか。今、改めて聞くとまったく意味合いが違って聞こえました。山口監督にやられましたね」
●「目玉焼きは半熟にならないと食べません」
――源太郎パパとご自身が重なる部分はありますか?
「食べるものにとてもこだわるところが似ていますね。伊藤家の代表的な食べ物である目玉焼きは、半熟にならないと食べないです(笑)。『おいハンサム!!』の源太郎パパををやり始めてから、自分が寄せるようになってしまったのかもしれません。
昔は失敗してばかりでしたが、最近は100発100中で半熟の目玉焼きができるようになりました。最近チャレンジしてるのは、完全に焦げがない裏側がつるんとした白身の目玉焼きです」
――どうやって作るんですか?
「蓋を閉めて、弱火で3分半~4分くらいですかね。気長に焼けばできます。水入れるのはズルなんですよ」
――ズルなんですか?(笑)
「水を入れると割と簡単にできるんです。ただ、水を入れると黄身の部分が白くなっちゃうでしょ? 『きいろぎいろ』していたほうがいいので、水は入れません」
――チャレンジしてみます!
●吉田鋼太郎さんからメッセージ
伊藤源太郎パパを中心に、男運の悪い恋に悩む3人娘、それを見守る口数は少ないけれどもしっかりしたお母さん。おいしそうな食べ物が出てくる楽しい映画です。最終的に、人生は悪くないのだな、人間ってすごく素敵なんじゃないの? と思える映画です。
皆さん、“これから”観てくれて、ありがとう。