元力士が店主! お肉屋てらもと、自慢は「ちりとり鍋」 安城市の人気店を紹介
安城市にある人気店「お肉家てらもと」と「焼肉屋ウルフ」。じつはそれぞれの店主は元力士と元プロボクサーという異色の経歴を持っています。
長年、地元のお客さんを喜ばせ続ける「お肉家てらもと」と「焼肉屋ウルフ」の魅力と店主の思いに迫ります。
●ちりとり鍋が人気!「お肉家てらもと」
元力士である寺本光伸さんが店主を務める「お肉家てらもと」。現役時代は「義乃若」という四股名で土俵に上がっていました。
相撲では花を咲かせることはできなかったものの、相撲部屋でちゃんこ番を務めている間に料理の才能が開花。当時の経験を生かしたちりとり鍋が店の人気メニューのひとつになっています。
「お肉家てらもと」のちりとり鍋は、新鮮なホルモンやうまみが強いホホ肉を使用しています。たっぷりの野菜から染み出たエキスが甘味の強い秘伝の味噌と絶妙にマッチ! 箸が止まらないおいしさです。
さらにシメのラーメンは野菜と肉、味噌のうまみが合わさって格別な味わいに仕上がっています。
●黒毛和牛にこだわり抜いた「焼肉屋ウルフ」
「焼肉屋ウルフ」で大将を務めるのは、「ウルフ朝岡」のリングネームで活躍していた元プロボクサーの朝岡泰史さん。朝岡さん自身がナンバーワンだと思う黒毛和牛にこだわり、極上の焼肉をお値打ちに提供しています。
とびっきりの焼肉と並んで好評なのが、シメのデザート! 「焼肉屋ウルフ」では、新鮮なフルーツを使ったデザートが充実。肉やフルーツのおいしさと共に、大将の人柄に惹かれて週2日通いの常連客もいるほどです。
「あしたのジョー」に憧れ、中学3年生でボクシングジムに入門した朝岡さん。高校3年生の冬に初めてプロのリングに上がると、1ラウンドKO勝ちと華々しくデビューを飾りました。勝ってもKO、負けてもKOというファイトスタイルは、ボクシングファンを虜にしたのです。
しかしプロとしてリングに上がり続けているうちに、右目の視力が低下。わずか23歳という若さで、引退を余儀なくされてしまいました。
「今までにお世話になった人たちに恩返しをしたい」。朝岡さんは、生まれ育った安城市で焼肉店をオープン。リングネームや店名の「ウルフ」は、朝岡さんの父・一人さんから受け継いだそう。トラック運転手として働いていた一人さんは、無線のコールネームを「ウルフ」にしていたといいます。
じつは父の一人さんは、朝岡さんのプロデビューを見届けたわずか2週間後に交通事故で他界しました。亡くなる直前、一人さんは朝岡さんにある言葉をかけていたといいます。
「お前は“お前”で行け、俺の子どもだから間違いない。お前は“お前のスタイル”で行け」
これが遺言だったんだな、と当時を振り返る朝岡さん。一人さんのコールネーム「ウルフ」の名を胸に、ボクサーとしての人生を駆け抜けました。そしてトランクスには「BIG FATHER」の文字が刻まれています。
ボクシングを引退してから10年が経ち、視力も回復した朝岡さん。現在は格闘技のイベントに参戦し、先日行われた試合では13年ぶりの勝利を手にします。
お前は“お前のスタイル”で行けーー。父の言葉を糧に、焼肉店と格闘技に情熱を燃やします。
取材協力
【お肉屋てらもと】
住所:愛知県安城市今池町1-13-5
営業時間:17時~23時 (料理L.O. 22時 ドリンクL.O. 22時)
定休日:火曜
【焼肉屋ウルフ】
住所:愛知県安城市緑町1丁目16-9
営業時間:17時~23時(L.O.22時)
定休日:火曜