「フグよりうまい」高級魚"夏のフグ" 超大漁で漁師もにっこり!【日間賀島】
知多半島の先端にある日間賀島は、フグやタコをはじめとした海の幸にあふれた島。おいしい海の幸を知り尽くした日間賀島の漁師たちによると、「夏はフグよりうまい」といわれるほどおいしい魚があるんです。
市場にもなかなか出回らないという幻の高級魚の正体に迫ります。
高級魚“夏のフグ”とは?
“夏のフグ”を狙う漁に協力してくれたのは、漁師歴45年を数える大ベテランの北川林さんと息子の琳都さん親子。冬は日間賀島の名物であるフグを狙って漁をする北川さん親子ですが、この時期は「フグよりも高い値がつくこともある」という“夏のフグ”を求めて漁をするとのことです。
船に乗り込み1時間ほどかけて、親子だけが知る極秘の漁場に到着。狙ったポイントに浮きと碇を落とし、魚の通り道に網を仕掛ける「さし網漁」で“夏のフグ”を狙います。
網を入れて待つこと数時間。落とした網を引き揚げると、早々に1匹目が揚がってきました!
揚がってきた“夏のフグ”とは「マゴチ」のこと。平ぺったい形をしているのが特徴のマゴチは、夏が旬の白身魚です。冬が旬のフグに対して、夏はフグを超えるおいしさになるともいわれていることから“夏のフグ”と呼ばれています。
琳都さんによると、日間賀島のある伊勢湾・三河湾のマゴチは全国的にも評価が高く、高級魚として知られているとのこと。とれない日はまったくの空振りに終わることも多いそうですが、この日は100匹以上のマゴチが揚がる過去一番の豊漁です!
大漁祝いの打ち上げ飯は豪華すぎるマゴチ三昧
旬の走りなのもあり、水揚げされたマゴチは相場を超える高値に! いっそうホクホク笑顔になった北川さん親子の自宅では、大漁を祝う日間賀島の“打ち上げ飯”がスタートしました。
主役はなんといってもマゴチの刺身。市場価格では1匹約5000円もするマゴチを、日間賀島では丸ごと1匹豪快に刺身でいただきます。
夏のマゴチは脂がのり、噛みしめる度にうまみが口の中にあふれ出るのが特徴。歯ごたえも心地良く、そのおいしさは“夏のフグ”という言葉がぴったりです。
漁師ならではのぜいたくな一品がマゴチの南蛮漬け。カラリと揚がったマゴチを甘酢に絡めたマゴチの南蛮漬けは、ふわふわとした身の食感がたまりません。
さらに登場したのが、マゴチの煮付け。高級魚のマゴチを丸ごと煮付けた、大漁の時にしか味わえないぜいたくな一品です。
ご飯が欲しくなる身のおいしさはもちろんのこと、一緒に煮付けた白子も最高の味わい。クリーミーでとろけるような白子は、漁師でなければめったに味わえない幻の味です。
そして琳都さんイチ押しのマゴチ料理が、祖母お手製のマゴチのそぼろ。マゴチをほぐしながら甘辛く味付けしたそぼろをご飯の上にたっぷりのせてかきこめば、思わず黙ってしまうほどのおいしさ。日間賀島の漁師ならではのごちそうに、北川さん親子も笑顔満点です。