加藤愛アナが愛知・安城市の愛されフード『和泉長そうめん』を調査! 麺も歴史も長い! コシと喉ごしが格別のそうめん『チャント!』
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『愛知・安城市』の『和泉長そうめん(いずみ・ながそうめん)』です。
「たたみ一畳分」!? 実はそれ以上の長い麺
聞き込みによると、『和泉長そうめん』は安城市内の“和泉町(いずみちょう)”だけで作られていて、長さは「たたみ1畳分」との情報も聞かれた、とても長いそうめんだとか。町内に数軒ある中、訪ねた先は『みや子製麺』。江戸末期から160年以上続く製麺所です。
『和泉長そうめん』は、一見、何ら変わりないそうめんですが、加藤アナが箸でつまみ上げると切れ目がなく、立ち上がっても繋がったまま。すると、4代目が「これは3メートル60センチあるんです。イスに上がっても、もっと長いです」と驚きの発言! たたみ1畳が180センチなので、実は“2畳分”の長さがあるのです。加藤アナがいただくと「あ~、おいしい!ビックリなのが喉ごし。ツルツルッて入ってきます」。さらに「ものすごく麺がモチモチで、弾力がすごい」と味わいました。
3.6メートルの麺を作り出すのは熟練の“手延べ”
一般的なそうめんが“乾麺”であるのに対し、『和泉長そうめん』は“半生麺”。折れずに曲げられるため、3.6メートルある麺は切らずに袋詰めします。このしなやかさの秘密は、一度乾燥させた麺に蒸気をあてて保湿し、再び軟らかく戻す、通称“半戻し(はんもどし)製法”によるもの。このひと手間で、まるでうどんのようなモチモチ感と普通のそうめん以上の強い喉ごしが生まれるそうです。ちなみに『和泉長そうめん』を家で茹でる時は、まず、麺をハサミで適当な長さに切ります。そして、沸騰したお湯に入れ、少し吹き上がってきたら火を切り、フタをして2分放置。あとは氷水でしめます。
「どうして切って出荷しないんですか?」という意見もあるそうですが、3.6メートルあるのが『和泉長そうめん』の特徴。その長さを作り出すのは、熟練の技による“手延べ”です。材料は小麦粉と塩水のみで、極太の生地の状態から徐々に延ばしていき、最後は2本の棒を自在に操って、より細く均一にコシの強い麺に仕上げます。毎日およそ10時間かけて作るそうです。
始まりは江戸時代 “そうめん風”を生かした夏のそうめん作り
『和泉長そうめん』の誕生のきっかけは、一説によると250年ほど前に起きた『天明の大飢饉』です。この地域は米が育ちにくい土地だったそうで、当時、盛んに栽培されていたのが“小麦”。飢饉の頃にその小麦を使ったそうめん作りの技法が伝わり、現在の安城市和泉町で農家の副業として広がったそうです。昔は外で作業をし、昼間に太陽の光を浴びて乾燥したそうめんが、夕方になると湿気の含んだ海風が入り込んでくることによって半生状態に戻るのだとか。地元の人たちがいつしか「そうめん風(かぜ)」と呼んだ海風は夏に吹くため、夏のそうめん作りが根づいていきました。
加藤アナは、「和泉で生まれた長いそうめんは3.6メートルもありました。この長さと手延べならではのコシや喉ごし、おいしさは、これからもずっと変わらないんだろうなと思いました」と今回の調査を締めました。
(CBCテレビ「チャント!」8 月15日(木)放送より)