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世界情勢激変でも、苦境をバネに挑戦を続ける中小企業が生み出したヒット商品『チャント!特集』

新型コロナをはじめ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など、世界状況の激変は国内の中小企業にも大きな影響を与えています。しかし苦境の中でも生き残りを賭け、これまでとは違った挑戦を始めた中小企業も出てきました。新たな取り組みで活路を見出そうとしている3社を取材しました。

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コロナ禍の鋳物工場から思わぬヒット商品誕生

三重県にある70年以上続く老舗鋳造メーカー「伊藤絃鋳工所」。木製の型に金属を手作業で流し込む職人技で、1000点以上の商品を手掛けてきました。主力は機械部品ですが、マンホールに埋め込む市町村のマークなども作っています。

しかし、新型コロナの影響で機械部品の需要が落ち込み、売り上げは一時半減。物流が止まり、注文のキャンセルや、短納期で注文されるなど状況が読めない状況に陥りました。


そんな中、コロナ禍で思わぬヒット商品が誕生。ロシアのトレーニング器具「ケトルベル」です。重くて頑丈な鋳物の特徴を生かそうと2016年に開発した商品でした。当初は認知度が低く売り上げも振るいませんでしたが、緊急事態宣言でジムが閉鎖した影響で、個人からの注文が約10倍に増加。


伊藤社長自身もケトルベルを使ったトレーニングで20kg以上増量しただけでなく、インストラクターの資格も取得、工場の隣にジムまで開設しました。

伊藤社長は、「正直、町工場は今後じり貧になるのは目に見えている。人や環境の問題などでかなり難しいと思っています。まずは生き残ることを考えて、発展させていければ」と手ごたえを感じていました。

ぴったり閉じて無水調理と保温が可能な“陶器”の鍋

三重県の部品メーカー「中村製作所」。“空気以外は何でも削る”を社訓に、巨大なマシンで鉄やチタン・ステンレスなどの金属を削ってロボットの部品や航空機・ロケットの部品などを作って幅広い会社と取引。新型コロナの影響は最小限に留めてきました。しかしロシアによるウクライナ侵攻で、材料となる金属の価格が高騰。経営を圧迫しています。



4代目・山添社長が大きな期待を寄せているのが2018年から販売開始した自社ブランド、四日市の伝統工芸・萬古焼の土鍋「ベストポット」。一時期3か月待ちだった人気商品です。


鍋とふたの間には100分の1mmの隙間もありません。髪の毛も通さないほどぴったり閉じるため、鍋のうまみを逃がさない食材の水分だけで調理する「無水調理」が可能。さらに鍋底が二重構造になっており、熱を逃さず火を消した後も保温が続きます。

陶器を削って作った商品はこれが初めて。ひとつずつ違う形の陶器を丁寧に削って生産しています。売上はまだ全体の1%ですが、地道な種まき活動を続けて海外展開の準備も進めています。

山添社長「環境の変化があることは絶えず経験してきたので、柔軟にチャレンジしていきたい」

建設会社が思い切って古民家パン屋を開業した理由


三重県にある「安藤建設」は、安藤昌子(しょうこ)さんと、夫の芳彦(よしひこ)さんの2人で会社を経営しています。しかし、新型コロナの影響で年間15軒手掛けていたのが8軒に減少。商談が思うようにできず、売り上げが減少しました。

安藤さんが新しい事業を後押しする国の補助金を利用して始めたのがパン屋。建設業のノウハウを生かして築50年の古民家を改装、去年12月に開業しました。


安藤さん「パン作りやお菓子作りが趣味で、いつか店ができたらと思っていた。コロナで大変だったけど、自分のやりたいことをやった方がいいのかなと」


パンによって天然酵母を使い分け、本業の傍ら木曜日から土曜日の営業ですが、口コミで人気となり午前中で売り切れる日も多くなりました。

2021年、新型コロナ関連の倒産企業は全国で約1700件。2020年の倍以上になっていますが、一方で生き残りをかけた中小企業の新たな取り組みはこれからも続きます。
CBCテレビ「チャント!」3月22日の放送より。

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チャント!

『チャント!』は、CBCテレビで毎週月〜金曜日の夕方15:49 - 19:00に放送されている東海3県向けの夕方ワイドニュース・情報番組です。

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