家族みんなで確認! 年末年始にしておきたい地震対策
2024年1月1月に能登半島地震が発生、8月には「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発表されるなど、巨大地震に対する警戒は日々高まっています。家族全員が集まりやすい年末年始。家の防災力や防災リュックの確認、ペットの避難方法など、地震発生時の行動や対策を家族全員で見直しておきましょう。
防災のプロ直伝!
「おうちの防災力」を強化する方法とは?
防災・危機管理ジャーナリストの渡辺 実さんが、「おうちの防災力」を検証。地震発生後、「在宅避難」を選択した場合、渡辺さん曰く、「生き残るための対策」と「生き延びるための対策」が必要だといいます。
「生き残るための対策」として、家の耐震化、家具の転倒防止、ガラスの飛散防止などを挙げた渡辺さん。こうした対策を経て、“生き残ったあと”に重要となるのが、「生き延びるための対策」なのです。
その対策の軸となるのが「備蓄」。備蓄用の水には2種類あり、「飲料水」と「生活用水」があるといいます。「生活用水」は、お風呂の残り湯やペットボトルに水道水をいれておくなどして、ストックが可能。しかし、この生活用水を備蓄していないと、飲料水を使わざる得ない状況になってしまうのです。
災害後、生き延びるためには、最低3日分の水や食料が必要。ちなみに、在宅避難をする場合、大人1人あたりに必要な飲料水は“約9リットル”だといいます。また、備蓄はもちろん、その備蓄の保存期間を把握しておくことを忘れずに。
動画では、テレビを耐震用ベルトで固定するなど「生き残るための対策」を公開。リビングや寝室、キッチンなど、家全体の防災力をチェックする参考にしてみては。
■番組情報■
CBCテレビ「チャント!」
【防災WEEK】おうちの防災力をプロが検証!【チャント!特集】
2022年8月24日放送
“いつものおやつ”を防災食に!
子ども専用の防災リュックを作ろう
愛知県を拠点に防災の啓発活動を行う、「防災ママかきつばた」の代表を務める高木 香津恵さん。息子の豪さんは防災士の資格を取得するなど、親子で災害対策について知識を深めています。
そんな香津恵さんが、“子ども目線”の災害対策のひとつとして挙げたのが、 “子ども専用”の防災リュック。リュックの中身には、防災食として、防災用のパン以外に普段から食べているお菓子もいれているといいます。スーパーやコンビニで売っているものでも、意外と賞味期限の長い商品が多い“お菓子”。賞味期限の長いお菓子を入れることで、馴染みのあるおやつを「防災食」にすることができるのです。
また、家族の特徴を伝える手段として入れておきたいのが「家族写真」。地震発生時、必ずしも家族全員が揃って避難できるとは限りません。家族とはぐれた時、子どもの心を落ち着かせるアイテムとしても役立ちます。
ほか、香津恵さんが親子で防災を考えるキッカケとしてオススメしているのが、防災カードゲーム。実際に起きた出来事にどのように対応するかなどを、ゲーム感覚で学ぶことができます。
親子で防災の話をしようとすると、つい堅苦しくなってしまいがち。子ども専用の防災リュックづくりやカードゲームを通して、子どもと一緒に楽しみながら災害対策について考えてみては。動画では、災害時の安否確認ルールなども紹介しています。
■番組情報■
メ~テレ
自宅と子どもを守るためにできること 親子で考える【シリーズ企画みんなで防災】
2024年9月9日放送
ダンボールで足を伸ばす!?
災害時に役立つ車中泊避難のコツ
災害時、車で寝泊まりする「車中泊」を選択する可能性もあります。熊本県知事公室危機管理防災課によると、2016年に発生した熊本地震の際、熊本県民の6割が自動車の中で避難していたといいます。
学校や公民館など大人数が集まる避難所に比べて、プライベート空間を確保しやすい車中泊。しかしその際には、長時間同じ姿勢でいることで血流が悪くなってしまう、「エコノミークラス症候群」への注意が必要です。
「エコノミークラス症候群」を防ぐには、車内で足を伸ばして生活できるような空間を作ることが大切。そこで使えるのが、2リットルペットボトル用のダンボール。足元にダンボールを置き、クッションを置くことで、足を伸ばした姿勢で休むことができます。
また、後部座席が2列ある車の場合は、2列目と3列目を倒し、座席を連結。シートの背もたれとおしりの部分などに生じる段差を、タオルやブランケットで埋めることで、ベッド感覚で足を伸ばして、寝ることができます。
動画では、アウトドア用品のエアーマットを使用した快適な睡眠方法も紹介。家の備えはもちろん、車中泊避難を想定した“車内の備え”にも意識を向けておきましょう。
■番組情報■
テレビ愛知「クルマとミライ」
「災害時に役立つ車中泊のコツとは?」
2023年3月9日放送
飼い主必見!ペットの防災対策
避難所で役立つトレーニングとは?
ペットを飼っている人も飼っていない人も、知っておきたい「ペットの防災対策」。
飼い主とペットが防災対策の一環として、身に付けておきたいことが「クレートトレーニング」。クレートとは、持ち運びできるペット用のハウスのこと。急に狭い場所に閉じ込められてもストレスを感じないよう、普段からクレートに入る練習を行い、クレートに慣れておくことが大切です。
またペットを飼っていない人は、初めて出会う動物とのあいさつを知っておきましょう。例えば、避難時に初めて会った犬と接する場合は、人から近づかずにしゃがんで、犬から来ることを待つのがベター。人間から近づき、高い位置からいきなり撫でたりするのは、犬にとっては怖い行為なので避けましょう。
家族はもちろん、ペットと過ごす時間も増える年末年始。災害時、ペットも安全に避難することができるよう、飼い主の目を見て指示を聞く習慣を身につけておくなど、ペットと一緒に命を守るトレーニングに挑戦してみては。動画では、避難時に役立つ“落ち着きアイテム”の取り入れ方など、さまざまなペット防災対策を紹介しています。
■番組情報■
CBCテレビ「よしお兄さんの“みえ”推し」
動物愛護週間 ペットの防災対策【よしお兄さんのみえ推し!】
2024年9月18日放送
【番外編】
三重県の集落を津波から守れ!
現役大学生たちが挑む防災
愛知工業大学では、災害に強いまちづくりを研究する学生たちがいました。その一人が、愛知工業大学の丹羽 菜々美さん。三重県の三木里地区で、「事前復興まちづくり」のプロジェクトリーダーとして活動に励んでいます。
「事前復興まちづくり」とは、災害が発生した場合、被害を最小限に抑え、復興を迅速に実現するため、事前に検討や準備を行う取り組み。
三木里地区は南海トラフ巨大地震の際に、甚大な津波被害が予想されている地域。丹羽さん率いる「事前復興まちづくり」チームは、三木里地区で現地調査を行ったり、避難時間を可視化する避難地図「逃げ地図」の作成や空き家の活用方法などを、自治体に提案する取り組みを行っているといいます。
三木里地区をはじめ、各方面から注目を集める「事前復興まちづくり」。丹羽さんたちは従来の内容に加え、“今ある地域の特徴を活かしながら、支援する”というコンセプトのもと活動しているそう。
動画では、「事前復興まちづくり」チームが考える地域資源の活用や今後のビジョンなどを公開。災害に強いまちづくりを目指し、三重県の集落で防災に取り組む、若者たちの活動に注目を。
■番組情報■
東海テレビ「ミライCREW ~夢に向かってテイクオフ~」
ミライCREW ~夢に向かってテイクオフ~ #29
2024年11月4日放送