重低音が響き渡る！人生の伴侶のように愛す『117クーペ』後編

車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年～2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。

今回の秘密基地の主は、岐阜県垂井町に住む宮永光隆さん。製造期間わずか3年という、こだわりがいっぱいのいすゞ『117クーペ』でドライブする姿に密着する。
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「今日は点検も兼ねて、家の周りを走ろうかなと思って」と宮永光隆さん。その前にエンジンルームのチェックをする。きれいにしたほうがいろいろ問題点が見つかりやすいので、エンジンルームはいつも拭き上げるようにしているのだそう。オイル漏れなどいろんなチェックする点があるため、乗りっぱなしにしない。

実は、このエンジンルームにも彼のこだわりがある。同じ年式の117クーペには、ガソリン量を電子制御するタイプもあるが、宮永さんはあえて機械式のキャブレター仕様を選んだのだとか。

「キャブレター車はその頃の憧れだったから。爆音がするわけじゃないけどキャブレター車の音が好き。あと自分である程度いじれるので、それもキャブ車のいいとこだと思う」と、電子制御の車は壊れたとき自分で直すことはできないが、キャブレター仕様なら手入れができるため、大切に扱えば長く乗り続けることができると考える。

「キーをオンにするが、チョークを引っ張る。水温が上がっていたので、そこで水や油漏れが起きてなければ多分OK」

エンジンをかけた後、オイルや水漏れを再確認し、いよいよ出発する。「アクセルやブレーキの感じ、クラッチの切れやつながり具合。あと各部からの異音とか。タイヤやハンドルの振動でいつもの走りと違わないか、確認しながら乗っている」宮永さんの愛車の調子を見るために行う、週に1度の定期ドライブ。

ドライブで気をつけていることは？と聞くと、「なるべく丁寧に扱ってやりたいなと思っているので、素早いシフトフィーリングっていう感じではなくて、なるべくゆっくりシフトダウンをする。シフトアップの時も同じく、ゆっくり動かす感じで運転する」と宮永さんは語る。

トンネルが見えてきたが、ここでの宮永さんならではの楽しみ方がある。「腹に響くような音がキャブレター車独特の音なんですけど、いい音ですね。旧車乗りの方は多分うなずいてくれると思うんですけれども」重低音の響きが、宮永さんにとって極上のサウンドなのだ。

宮永さんと117クーペとの出会いは、20代の頃。建築関連会社のサラリーマンだった宮永さんは、給料も安くてなかなか高い車は買えなかった。当時の彼にとって117クーペは高嶺の花。40代後半に夢が叶い、以来14年間この車を愛し続けてきた。

出かけた後もホコリを払う。「いつもの自分のルーティーンじゃないけど、いつもやっていることなのでそんなに苦にはならない。今日は、非常に暑い日だったが順調に走ってくれて、特に問題なく快適なドライブが出来た」と満足そうな宮永さんだ。

これで点検ドライブは終了。ここまで惚れ込める車に出会えるなんて、なんだかちょっとうらやましい。

ある日の秘密基地、愛車117クーペをジャッキアップする宮永さんの姿が。「オイル交換をやろうと思って来たが、上げたついでに各部のゆるみだとか、油漏れだとかそういうところもチェックする。サビが多少出てると思うので」色々チェックしメンテナンスをするのだそう。

さらにもう一人、宮永さんの友人である長江久和さんも到着。同い年で家族ぐるみの仲なのだそう。長江さんの車も初期型の赤い117クーペ。宮永さんが愛車をジャッキアップすると聞いて、秘密基地を訪れている。

「こうした下回りの汚れだとか、けっこう緩んだりするときもあるのでそういうとこも一応チェックする。ギシギシガタガタするので」宮永さんが気になったのは、サスペンションに使われている板バネのサビ。

「強引だけどシャーシブラックをかけちゃう。見えないからいいんじゃないかっていう人がいるが、やりだすと気になって。古い付き合いだし、昔からの憧れの車だからなるべく自分で大事にして手を入れて、117クーペに長く乗りたい。本当に自分が乗れなくなるまでは持っていたいなと思う車」。

宮永さんが若い頃に心奪われた車『117クーペ』。その魅力に今なおときめいている宮永さんにとって、117クーペは人生の伴侶のような存在なのかもしれない。

『極上ライフ おとなの秘密基地』

【放送局】テレビ愛知　2016〜2018年放送（現在はLocipoでアーカイブを視聴可能）
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://www.youtube.com/watch?v=ybrnHI6Dvds