陸自発砲事件から2年 元自衛官候補生の裁判は開かれず "なり手不足"が続く自衛官

岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で起きた発砲事件から14日で2年となります。隊員3人を死傷させたとして起訴された元自衛官候補生の裁判はいまだ開かれず、動機などは明らかになっていません。
岐阜市郊外の日野基本射撃場には、13日も自衛隊の車が出入りする様子が。
おととし6月14日。日本中に衝撃を与えた事件が。
訓練中の隊員が小銃で撃たれ、2人が死亡、1人が重傷を負いました。
弾薬を奪うねらいで隊員を殺害するなどしたとして、当時自衛官候補生だった渡辺直杜被告(20)が、強盗殺人などの罪で起訴されています。
起訴から1年以上が経ちましたが、いまだ裁判は開かれていません。
メ~テレは4月以降、事件が起きた部隊が所属する第10師団にカメラ取材の交渉を続けましたが…。
「ご遺族や地域住民の感情を配慮して、取材は見合わせたい」と、垂水達雄師団長名での最終回答がありました。
活動への理解を深めてもらうイベント

そうした中、5月あった第10師団の創立63年記念イベント。
自衛隊の活動への理解を深めてもらおうと一般公開されました。
訓練に参加したのは、主に第35普通科連隊の隊員たち。
発砲事件で起訴された元自衛官候補生が所属していました。
「示された場所以外で撮影はしない」「隊員にインタビューをしない」という条件のもと取材が許可されました。
「自衛隊が好きだから来ました。拳銃など使うところがかっこよくて好きです」(来場者)「89式(小銃)を撃っているのが、かっこよくて将来の夢が陸上自衛官」(来場者)
発砲事件で使われた「89式小銃」も展示されまていました。
「見ていただいているのが89式小銃。これが1989年に採用されたモデルになる」(自衛官)
同じ重さの模型に触れる体験も…。
「重たいですねこれでガーとやるのですか?」(来場者)
「そうです。これで射撃します」(自衛官)
"なり手不足"が続く自衛官

来場者は発砲事件に何を感じているのか…。
Q.発砲事件があったことは?
「知っている。怖いな。怖いイメージしかないから、もうちょっと本当の感じを知りたい」(来場者)
「もうちょっと情報公開してほしいなと思う」(来場者)
隊員に任務の心構えを話した垂水師団長は。
「各種事故により自らはもとより仲間、そして何より本来守るべき地域の方々を危険にさらすことはあってはならず、改めて安全管理の重要性を認識し、これを肝に銘じてもらいたい」(陸上自衛隊第10師団 垂水達雄 師団長)
防衛省によりますと、昨年度の自衛官の採用計画に対する充足率は65%にとどまり、"なり手不足"が続いています。