今回の衆院選では「消費税の減税」を公約にする党が相次いでいます。ただ、減税の中身はさまざまで、財源の議論も深まってはいません。物価高の中、やりくりに追われる現場の声は。

香ばしく焼き上がる厚切りのトンテキ。千切りキャベツの乗った皿に次々と盛り付けられていきます。
そこに現れたのは、中部大学春日丘高校のラグビー部員たちです。愛知県小牧市にある寮では、ラグビー部員のうち、県外に自宅のある35人が生活しています。
東海地方でも指折りの強豪ラグビー部で活動する部員たち。体力勝負の競技だけに、体づくりは欠かせません。
一人あたり毎食2合食べることを目標に、茶碗によそったコメの重さを計ります。こちらの寮では、朝・昼・夕の3食を監督たちが手分けして作っています。
冷蔵庫を見せてもらうと…
「結構毎日のようにあちこち買い物に行っている。これはここじゃなくてここの方が安いから、こっちのスーパーに行こうという感じで、本当にもう毎日スーパーのはしごをしている」(寮母 宮地宏美さん)
日々のやりくりに疲労

買い物のレシートを見せてもらうと「ポークロースしゃぶしゃぶ用」や「ブタバラコマギレ」の文字がずらりと並びます。
1日にかかる食費は、調味料なども含め3万円から3万5千円ほど。終わりの見えない物価高は頭の痛い問題です。
「特にこの1年で大幅に物価がすべてのものが上がりすぎて…」(中部大春日丘高等学校 ラグビー部 宮地真監督)
このままでは寮費の値上げも考えざるを得ないといいます。そうした中、衆院選で多くの党が掲げる「消費税の減税」については…。
「日々の暮らしだとか今月のやりくりや来月のことだとかを考えたときには、それは当然10%減ってくれれば、単純に年間で考えれば100万円近くの減額になる。ありがたい話では(宮地監督)
日々のやりくりを考えると、魅力的にうつる一方で、減税のしわ寄せがどこかに出てこないか、不安も感じるといいます。
「それがどこにどう返ってくるのかが説明がない。確かなものがないという、得体の知れない不安感はある。一体その財源の確保はどこからくるのかというところに対して目を向けていくと、果たして消費税の減税がベストなのか」(宮地監督)
消費税について各党の公約は?

消費税についての各党の公約です。
【自民】は、飲食料品を2年間に限って0%にすることについて検討を加速
【維新】も同様に、飲食料品を2年間0%に
【中道】は、今年の秋から食料品を恒久的に0%に
【国民】は、時限的に一律5%に
【共産】は、消費税廃止を目指してただちに5%に減税
【れいわ】【参政】【減税ゆ連】は、廃止を訴えています。
【保守】は、酒類を含む食料品を恒久的に0%
【社民】は、一律0%
【みらい】は、減税に慎重な姿勢です
日々の買い物はどう変わる?

日々の買い物はどう変わるのでしょうか。冷え込みが続くなか、きょうの晩ごはんはあったかい鍋というご家庭を例に見てみると…。
現状では、軽減税率の対象の野菜や肉には8%、酒には10%の税率がかかります。この例でいくと、消費税額はあわせて212円です。
続いて、食料品の税率が0%になると、8%の税率がゼロになるので、今と比べて112円の減税になります。
また、一律で消費税が5%になると92円の減税に。
さらに、消費税が廃止されると212円の減税になります。
日本全体で影響を見てみると、大和総研によると、「1年間あたり飲食料品の消費税ゼロ」で4.8兆円。「5%の一律引き下げ」で15.3兆円「消費税廃止」で31.4兆円の減税になるということです。
ただ、消費税減税によって税収が落ち込む分を、どうカバーするのかがポイントになりそうです。


