海の生き物とデジタルアートが融合。伊勢を訪れる旅に、新しい楽しみ方が加わりました。
水槽×デジタルアートの新展示をスタート

三重県伊勢市の『ゼロ距離水族館 伊勢シーパラダイス』で、海の生き物とデジタルアートを融合させた大型水槽展示が、2026年3月1日から始まりました。
この展示は、旅行会社のJTBと共同で立ち上げた「ISE Digital ART PROJECT」の一環として企画されたもの。水族館を舞台に、伊勢の海と由緒ある「お伊勢参り」の物語を、デジタルアートと共に表現する新たな試みです。

展示テーマは、「祈りの海、光の道 ~時を越え受け継がれる伊勢の旅~」。映像制作には、体験型アートで知られる「ネイキッド」などが参加。幻想的な映像と音楽が水槽空間に広がり、伊勢信仰における「海」の重要性や江戸時代に多くの人が夢見た「お伊勢参り」の賑わいを、ストーリー性豊かに描きます。
展示場所は、館内の「海底ごろりんホール」。映像は約3分間、毎時00分と30分から上映されます。
この展示の大きな特徴は、実際に魚が泳ぐ水槽とデジタルアートを組み合わせていること。その魅力について、同館担当者は、「通常の映像展示とは異なり、本物の生き物を観察できる環境の中で、映像・音楽が重なり合うことで、その瞬間ごとにさまざまな表情が生まれる点が見どころとなっています」と述べます。
“浜参宮”から始まる伝統的な参拝ルートとは?

このプロジェクトの背景にあるのは、2033年に予定されている「神宮式年遷宮」。20年に一度行われるこの祭事を前に、伊勢を訪れる観光客は今後さらに増えると見込まれています。
しかし、その一方で、観光客が伊勢神宮、特に内宮周辺に集中する傾向があり、地域全体を巡ってもらうことが長年の課題に。また、二見浦での「浜参宮」から始まる伝統的な伊勢神宮参拝ルートの文化的価値が、十分に知られていない状況があったといいます。
浜参宮とは、伊勢神宮を参拝する前に、二見浦で“みそぎ”を行い、身を清める習わしのこと。
今回、同館の大水槽で上映される映像では、浜参宮から始まり、“みそぎ”を経て、外宮から内宮へと至る歴史的な参拝ルートを紹介。伊勢の歴史や文化を、“水族館”という場所から体感できるという点もポイントとなっています。
伊勢の海や歴史の物語を感じてほしい

同館担当者はこの展示の楽しみ方について、「水族館で生き物とふれあうだけでなく、伊勢の海や歴史の物語を感じながら、ゆっくりと楽しんでご覧いただきたい」と話し、続けて「この展示を通して、『浜参宮』という伊勢参りの原点を知り、実際に二見の海や伊勢のまちを歩いて、追体験していただけたら嬉しいです」と語りました。
魚たちが泳ぐ水槽に、お伊勢参りの物語が重なる光景。デジタルアートと融合した水槽展示は、同館の「海底ごろりんホール」にて観ることができます。


