難病乗り越え夢の舞台へ…プロレス大好き少年が“リングアナ”に 憧れのレスラーをコール「2人でタイトル戦やりたい」
1年半前、突然難病になった三重県津市に住む上地大誠くんは、プロレスが大好きな小学6年生です。憧れの選手との出会いを機に、今では体も動くようになり、2025年1月、プロレスのリングアナに挑戦しました。夢はプロレスで、憧れの選手と戦うことです。
■突然の激しい頭痛と吐き気…右半身が麻痺する難病に教われた小学生
2025年1月15日、名古屋市中区の「スポルティーバ アリーナ」で行われたプロレスの大会。リングアナとして立ったのは、小学6年生です。
三重県津市の上地大誠くん(12)が困難を乗り越え、夢のプロレスラーに一歩近づいた瞬間でした。 大誠くんは、2023年5月、突然の激しい頭痛と吐き気で救急搬送されました。脳の血管が詰まり右半身が麻痺する難病「非もやもや病小児閉塞性脳血管障害」でした。
大誠くんの母・早紀さん: 「歩けない、右手も上がらなくなってしまって。死んでしまわないのかなとか、生きることができるのかなとか」
■転機となった憧れのプロレスラーとの出会い
大誠くんはプロレスが大好きで、憧れは出身地も年齢も不詳の、謎の覆面レスラー、アンディ・ウー選手です。入院中、親戚を通じてアンディ選手がお見舞いに来てくれたことがありました。
大誠くん: 「めっちゃ(パワー)もらいました。右手も上がるようになって」 大誠くんの母・早紀さん: 「ぶらん、だらんとしていた右腕が、ファイテイングポーズするのにおへその高さくらいまで上がったんですよ」
七夕の短冊には「プロレスラーになってアンディ・ウーさんとタッグを組む」。大誠くんに夢ができました。 その後、きついリハビリに励んだ大誠くん、今では動けるようにもなりました。 アンディ選手は夢を応援したいと、大誠くんが通う津市の小学校にも来てくれました。
アンディ・ウー選手: 「毎日試合で心折れかけているんですけどね。いきなり大きい目標だと、なかなか越えるまでに心折れたりするので、小さい目標を乗り越えていく」
■夢への第一歩踏み出す…「発表が苦手」な大誠くんがリングアナに
母親の早紀さんによると、大誠くんは文章を読む際に飛ばしてしまったり、記憶力に障害などがあり、人前で発表するのができなかったといいます。 その大誠くんは15日夜、アンディ選手の試合でリングアナに挑戦。本番前の練習では…。
プロレス道場の会長: 「かんでもいいよ、言い直せばいいし。ゆっくりいこう」 緊張で止まらない手や足の震え。それでもリングへ向かいました。 大誠くん: 「赤コーナー、アンデイ・ウー!」 プロレス道場の会長: 「完璧やないか」 試合は、アンディ選手が「足4の字固め」を決めて勝ちました。
アンディ・ウー選手: 「いつも応援してくれている大誠くん、リングコールありがとう。観戦している選手、みんな大誠くんの夢を応援しています。ぜひ近い未来、このリングで会いましょう」
大誠くん: 「夢は、僕が王者でアンディ・ウーさんとタイトル戦をやりたい。勇気を与え迫力あるプロレスラーになりたい」