
大阪の「箕面温泉スパーガーデン」立ち入り禁止エリアに眠る“廃道” “廃墟”の正体は?敷地内に鳥居が連なる参道も? 道との遭遇

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴26年の鹿取茂雄さんが、大阪府の“レジャー施設に眠る廃道”を巡ります。※許可を得て撮影しています。
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特別潜入!「箕面温泉スパーガーデン」の立ち入り禁止エリア
鹿取さんと一緒に旅をするのは、一般の女性。2人が訪れたのは、大阪府箕面市。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「『箕面温泉スパーガーデン』の敷地内に素敵な道があるという噂を聞いたので、探索したい」
広大な敷地の中に温泉やプールなどがある複合レジャー施設で、ホテルも併設する「箕面温泉スパーガーデン」。かつては、他にも遊園地やスケート場などもあった巨大総合レジャー施設でした。
敷地面積は5万坪を超え、甲子園球場約4.2個分の広さを誇り繁盛しましたが、現在は営業規模を縮小。そのため、使われていない敷地があり、そこには道マニア界でも噂になるほど魅力的な廃道が眠っていると鹿取さんは言います。
そんなレジャー施設の立ち入り禁止エリアを、特別に許可を得て探索させてもらえることに。
「我々はこっちに行こうと思います」と鹿取さんが先導するのは、名物の展望エレベーターの西側エリア。
メイン入口だったと思われる今は使われていない場所には、駐車場の料金所がそのまま残されています。2人は、いよいよ立ち入り禁止エリアへ。
敷地内に神社⁉ 古びた鳥居が連なる参道の廃道
落ち葉が積もる廃道の脇には沢があり「すごい!対岸にも道がいっぱいある!敷地内にこんなに廃道がある温泉はない」と早くも興奮気味の鹿取さん。さらに、廃道から見上げると、かなり高い場所にはアーチ状の巨大な橋の痕跡も。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「あの橋もたぶん使われていない廃道。何のための橋だったのか解決したい」
対岸に造られた謎の道に、高い場所に造られた巨大な白い橋。これらが何のために造られた道なのか、調査したいと言う鹿取さん。普段見ることができない光景に、ワクワクが止まらない様子です。
2人は、対岸の廃道を目指すことに。すると…
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「鳥居みたいな、参道らしきものがある」
対岸の廃道には古びた赤い鳥居がいくつも連なり、道が崩れないよう石が積まれています。「白玉稲荷大明神」と書かれた鳥居をくぐった先には、綺麗な状態に保たれた神社が出現!
2人は参拝し、さらに奥へと続く道を進みます。すると、川にまたがる石造りのアーチ橋を発見!
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「石の形を整えてしっかり積まれている。あそこに庭園っぽいものがあるので、もともと流れていた沢を整備して、水の流れをお客さんに見せようとしていたんじゃないかと思う」
鹿取さんは、渓谷を楽しむための遊歩道だったのではないかと考察し、思いを馳せます。
さらに先へ進むと、川沿いの道は敷地外にあるマンションの私道へと繋がり、立ち入り禁止区間は終わります。
なぞのレンガ ついに解明!? 眠る数々の“謎”の正体とは
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「このエリアは大体見たが、『箕面温泉スパーガーデン』はこんなもんじゃない」
さらにディープな世界が待っているという東側にある廃道を探索します。
立ち入り禁止エリアに入って石階段を上ると、見えてきたのはレンガが4重巻きになった“穴”。トンネルではなく行き止まりになっており、「噂によると、ここに動物がいたらしい」と鹿取さんは言います。
真偽不明のまま、2人はさらにその先へ。すると、対岸から川を跨いで敷地へと繋がる“ケーブルカーの跡らしきもの”を発見!さらに、“廃墟”や“給水設備と思われる建造物”など、廃道に次々と“謎”が現れます。一体どのような理由で造られたのか?
「箕面温泉スパーガーデン」が歩んできた歴史を、広告担当の方からお話を聞くことができました。
日本一目指した「箕面動物園」宝塚市の新しい動物園への移設で閉園に
(1)“レンガ造りの穴”の正体
「箕面温泉スパーガーデン」ができる前、同敷地には明治43年に造られた「箕面動物園」ありました。「上野動物園」「京都市動物園」に次ぐ日本で3番目に古い動物園で、日本一の動物園を目指し、広大な敷地にはライオンやトラ、ラクダなど多くの動物がいたそう。
動物だけでなく、観覧車もあるほどのスケールを誇りましたが、宝塚市の新しい動物園に移設するのをきっかけに大正5年に閉園したとのことです。
(2)“給水設備らしき建造物”の正体
昔の給水設備ではなく「この地に温泉が出たことで、温泉を汲み上げている」とのこと。
「箕面動物園」の閉園から35年後の昭和26年、温泉施設として「箕面観光ホテル」が開業。さらにその14年後、周りにプールや遊園地ができ、一大レジャー施設となる「箕面温泉スパーガーデン」が誕生しました。
(3)対岸から川を跨ぐ“ケーブルカーらしき痕跡”の正体
当時使われていた、「箕面温泉スパーガーデン」専用のケーブルカー。たった100mしかなく、日本一短い鉄道と呼ばれ話題を呼びましたが、エレベーターができたことで廃止になりました。
(4)西エリアに眠る“廃道”、“連なる鳥居”と“神社”の正体
最初に探索で歩いた謎の廃道は、動物園があった頃に造られた道を整備してできたかつての遊歩道。しかし、レジャー施設が完成したことで使われなくなりました。
また、当時はホテルでの事故が多かったため、災いをなくすために神社を建立。ホテル開業後から現在も参道は使われており、従業員が月に1度参拝して神社を綺麗な状態に保っていると言います。
(5)西エリアに残る“白い橋”の正体
最初の探索で見つけた、敷地の中央から西に向かってのびる白い橋は、プールへ行くために造られた専用の橋だったそう。橋の親柱には、銘板があった痕跡も。かつてプールがあった場所には、現在マンションが建っています。
残念ながら“廃墟”の謎は解明できませんでしたが、「おそらく従業員寮なのでは」と鹿取さんは推測します。
2024年8月20・27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より