トヨタの源流・豊田自動織機 「非公開化」の動きに株主から質問

豊田自動織機の株主総会が10日行われました。先週には「非公開化」をめざすトヨタグループのTOB・株式公開買い付けが発表されたばかり。株主からは非公開化の理由や、株式の買い取り価格などについて質問が相次ぎました。
「午前10時前の豊田自動織機、高浜工場です。これから行われる株主総会で経営陣はどのように説明するのでしょうか」(記者)
雨にもかかわらず集まった株主の関心事はやはり――
「買収されるとは思っていなかったので驚きました。買収後どういう風に会社を経営していくかが非常に大事」(株主)
「“織機”という名で安心していました。とりあえずお話を聞いてみようと思っています」(株主)
注目は3日に発表された、トヨタグループによるTOB・株式公開買い付けです。
いまはフォークリフトが主力の豊田自動織機。約100年前に機織り機をつくる企業として誕生しました。
そのトヨタ自動車の「源流企業」の株式を、トヨタの豊田章男会長などが出資する新会社が買い集め、株式市場への上場をやめるとしています。
「こんなことがトヨタグループで起こるとは」

短期目線の「もの言う株主」からの“圧力”を回避しつつ、中長期目線の経営を進めたい考えですが――
「投資して応援できなくなる。それが一番残念です」(株主)
Q.TOBを最初に聞いた時は
「なんてこったですね。こんなことがトヨタグループで起こるとは思っていないですからね」(株主)
「企業は社会的な存在だし、私的な形でどうこうされてはいけない。株主そのものが開かれた窓」(株主)
株式の買い取り価格は1株あたり1万6300円。
TOBが正式発表される前の株価は1万8000円を超えていたため、1割ほど低い価格になります。
社長「企業としてさらに大きく成長するチャンス」

そして始まった株主総会。
質問に立った株主からは、「非公開化」の是非や、TOB価格の妥当性に疑問を呈する声が相次ぎましたが――
伊藤浩一社長は「企業としてさらに大きく成長するチャンス」などと話し、理解を求めました。
過去最長の2時間弱に及んだ総会。出席した株主からは――
「ちょっと荒れるかなと思っていたけど全然荒れない。TOB価格はちょっと妥当より低い感じはあったが、みなさん大体の人はオッケーという雰囲気」(株主)
「TOB価格、これが難しくて、何が妥当かと。ようやく株主として発言できる立場になったが、非公開化で発言機会がなくなるのは残念だと思う」(株主・OB)