夏休みの子どもの居場所に「銭湯」 利用は無料、番台体験も 「子ども食堂」は物価高で厳しい運営

夏休みに親の仕事などで外出しづらい子どもの居場所作りが、名古屋の意外な場所で始まっています。一方、物価高の影響で子ども食堂は厳しい状況にあります。
名古屋市西区の銭湯「八千代湯」。
ここで7月から始まったのが、子どもたちの居場所の1つとして銭湯を開放する「子ども銭湯」です。
「開店してからロビーのスペースが空いていた。そのスペースを使って地域のために何かできないかと思っていたところ、西区役所民生子ども課の方から『放課後の子どもの居場所として貸し出していただけないか』ということで」(八千代湯 岡村淳徳 代表)
市の事業として八千代湯に声がかかって始まった「こども銭湯」。4年生から6年生の子どもが対象で、利用は無料。夏休みなどの長期休み期間は、火曜日から金曜日に開催し、予約の必要はありません。
ロビーのスペースでは宿題をしたり、お絵描きをしたりなど、過ごし方は自由。
保護者の許可があれば、銭湯も楽しめます。
銭湯が「子どもたちと地域の交流の場に」

さらに、この機会に銭湯の仕事も知ってもらおうと、希望した子どもには番台体験も。
この取り組みに賛同した地元のお菓子メーカーからお菓子が提供されていて、友達と遊びながら自宅のようにくつろぐことができる場所になっています。
Q.お父さんやお母さんは仕事?
「お仕事です」(6年生)
「みんなと遊べてうれしいです」(6年生)
「一緒に銭湯に入れたり、円になってしゃべったり、色々楽しいです」(6年生)
「普段遊べるスペースが少ないし、お店に行くと料金が高くなるところが多いけれど、ここは無料で長い時間遊べるから、いい居場所です」(6年生)
八千代湯の岡村代表は「子ども銭湯」が子どもの居場所として定着し、子どもたちと地域の交流の場になればと話します。
「この企画が10年後とかもずっと続いていけるように、子どもたちに銭湯の良さや地域のコミュニティーの楽しさを伝えていければ」(八千代湯 岡村代表)
子ども食堂「原材料費が1.5倍」

一方、子どもの食を支える「子ども食堂」の現場は、厳しい状況に直面しています。
NPO法人「名古屋おやこセンター」と名古屋市中区社会福祉協議会は、学校給食がなくなる夏休み期間に合わせて週に2回「子ども食堂・なか」を開催しています。
13日のメインは豚丼。子どもは無料、大人は100円で提供しています。
「毎日お昼ご飯を作らないといけないのがとても負担。子どもも3人いるので、すごく助かります」(利用者)
「子ども食堂だとかなり安価で楽しめるので、助かっている」(利用者)
「ママが楽しそう。だってごはん作らなくてすむし、食べて帰るだけだし、お金かからないし」(利用者)
利用者は去年から増え、多い日は80人にのぼります。物価高の影響もあり、運営は厳しさを増しています。
「今年は特に大変ですね。全体的に1.5倍ぐらい原材料費も上がっているので大変」(名古屋おやこセンター 竹内洋江 副理事長)
それでも食事の量や質を維持したいとしています。
Q.財政面は?
「持ち出しでやっていきます。私たちはとにかくここを回して、子どもたちにお腹いっぱい食べてもらいたい」(竹内副理事長)