
「米は買ったことがない」前大臣から“コメ担当大臣”へ 小泉新農水相に農家から期待の声「圧力に負けず突っ走って」


コメの価格が高止まりの状況が続いている中、「コメ担当大臣という思い」と自ら意気込む小泉進次郎新農水相に、期待の声が上がっています。農家からは「改革」を求める声も聞かれました。
■コメの高騰解決できるか…小泉新農水相「とにかくコメに尽きる」
「コメは買ったことがない」発言で、事実上の更迭となった江藤拓氏の後任として、小泉進次郎氏が農林水産大臣に指名されました。

小泉進次郎新農水相: 「今最も力を入れなければならないのはコメ、とにかくコメに尽きると思っています。(普段は)いろいろなお米を買います。うちは息子も娘もまだ小さいものですから、すぐに時短であげなきゃという時なんかは、パックご飯も買います」 国民への発信力には定評がありますが、備蓄米放出後も高騰が続くコメの店頭価格を下げるという結果を出すことができるのでしょうか。
■「行き渡るようにしてくれそう」期待の声が上がる
愛知県瀬戸市のスーパー「新鮮市場いせや」では5月22日、国産のコメ4.2キロが5811円で売られていました。

客からは、小泉新大臣に期待する声が聞かれました。 客: 「すごく期待しています。今までの対策はあまり良くなかったかなと。備蓄米を出しても、あんな高い値段で出したらそう下がるわけないなと」 別の客: 「5000円を超えているので、すごく高いかなと思う。(小泉新農水相は)前向きにちゃんとコメが行き渡るようにしてくれそうかなと」 政府の備蓄米の放出が始まってからおよそ2カ月ですが、このスーパーにはまだ一度も届いておらず、小泉新農水相が検討を指示した随意契約による売り渡しの際は、中小の業者にも配慮してほしいと注文します。 新鮮市場いせやの福丸明男社長: 「備蓄米の放出を中止して随意契約で次はコメを出すということだったのですが、大手ばかりではなくて中小の卸売にも流していただけたら、僕らの手元にもお値打ちなコメが届くのではないかなと」
■農家からは改革求める声も「田んぼをいかせるような政策を」
愛知県豊田市の田んぼで作業中の農家に、話を聞きました。 農家の岡部森人さん: 「ちんぷんかんぷんなことを言っているような気がしますよね。補助金が下りればいいなと思って。そうしたら農家さんもうれしいし、買う人もうれしいもんね」

また、ほかの農家からは思い切った「改革」を求める声も上がりました。 農家の杉浦禎弘さん: 「田んぼは持っていて生かしたいんだけど、私たちは歳だからちょっとえらいわという方には、その田んぼを生かして農業ができるような仕組みを積極的に進めていただけるといいかなと思います。新しい若い政治家の方に頑張っていただかないと、日本の国も変わりませんし、農業全体も変わらないので、ぜひ頑張って圧力に負けずに突っ走っていただきたい」 高齢化や人手不足、資材の高騰など、農家の苦境に目を配りながら、コメの価格引き下げは実現できるのか、新大臣の手腕に注目です。
■下がらぬコメ価格…石破首相「責任を取る」と名言
5月21日の国会で石破首相は、コメの価格について「(5キロ)3000円台でなければならない」とし、実現しなければ「責任を取る」と明言しました。

農水省がまとめている、スーパーでのコメ5キロ当たりの販売価格を見てみると、5月19日に発表された最新のデータは、前の週より54円上がって4268円でした。 2024年前半までは2000円前後だったため、3000円台になったとしても以前に比べるとかなり高い価格です。