半世紀かけようやく開通した「名豊道路」名古屋・豊橋間の所要時間1時間は本当か 走行して確かめてみた

3月8日に、半世紀かけてようやく全線開通した国道23号「名豊道路」。全長72キロをノンストップで進むことができ、名古屋ー豊橋間の移動時間を大幅に短縮できるとのことでした。しかし、利用者からは各所で渋滞が発生しているとの声もあります。実際の混雑状況はどうなのか。車で走って検証しました。
名古屋ー豊橋間、1時間50分→約1時間に短縮

名豊道路は名古屋から豊橋まで無料で通行できる信号のないバイパスです。国道1号を使うと1時間50分ほどかかっていた名古屋ー豊橋間の移動が、名豊道路を使うと約1時間で移動できるようになります。
名豊道路が開通したことで、東名高速道路の豊川インターチェンジまで車で20分ほどかかる豊橋の市街地や、その東の浜松などから名古屋に行くルートの選択肢が増えます。

物流の効率化の面でも期待が高まります。
豊田市の工場で組み立てられた自動車を輸出するため、三河港まで運ぶ時間が20分ほど短縮可能に。これにより、1日の輸送の回数が増えることも期待できます。また、名豊道路の沿線には多くの卸売市場や農作物の出荷場があります。三河産の野菜や花をより早く名古屋の市場に届けられるようになるのもメリットの1つです。
尾張と三河を結ぶ大動脈として期待がかかる名豊道路ですが、心配なのは渋滞です。
実際の混雑状況は?

名豊道路は、片側2車線区間と片側1車線区間が交互に通っています。そのため、速度差のある車両があると区間によってはなかなか思うように進めないところもあるのです。

実際に名豊道路を走ってみると、午後5時すぎには時速60キロメートルを保ったまま、スムーズに走ることができました。しかし、幸田桐山IC付近にかかるところで渋滞が発生。時速60キロにはほど遠く、時速30キロあたりとゆっくり進むようになりました。時には完全に止まってしまう場面もあり、走る時間帯や車両の状況によって到着時間が大きく変化しそうです。
無料で利用できるのは魅力だが「以前より混むようになった」

こうした混雑状況について、国道23号線の岡崎バイパス途中にある道の駅「筆柿の里・幸田」で、ドライバーに話を聞きました。
3月14日の正午すぎに駐車場を見てみると、自家用車を停車する場所はほぼ満車。車のナンバーは三河や豊橋といった愛知県南部はもちろん、静岡、浜松といった県外のナンバーも多く見受けられました。
仕事で浜松から豊田に行く人:
「新しくできたところは普通に抜けられますが、その前が以前より混むようになりました。(使う人が)分散されて走りやすくなれば、使う頻度は増えるかなと思います」
仕事で豊橋から名古屋に行く人:
「お金が無料。渋滞がなければ快適ですね。1年経てば快適な道路になるのではないかと期待しています」
(2025年3月14日放送「5時スタ」より)