
「突然ドアノブが回らなくなり…閉じ込められた」 「カギは壊れていないけど…取り換えて」25年間で約2万件のトラブルを解決 “すご腕カギ職人”に密着

突然のカギトラブルにも素早く対処。依頼があればすぐに駆け付け、カギのトラブルを解消。“すご腕のカギ職人”に密着しました。
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今回密着するのは、瑞穂区にある「カギの救急車 瑞穂運動場」。お店の代表は、すご腕カギ職人(防犯設備士)の丹羽香之さん。これまでの25年間で対処したカギのトラブルは約2万件。
(カギ職人 丹羽香之さん)
「安否確認で警察から依頼されて、カギ開け作業をする。開けたことで助かった例もある」
突然ドアノブが回らなくなり…閉じ込められた
11月4日、向かったのは瑞穂区にあるアパート。依頼は「突然ドアノブが右にも左にも回らなくなった」とのこと。
(依頼者)
「朝(ドアノブが)全然動かなくて、(室内に)閉じ込められた。ペットボトルの蓋を開けるものをドアノブに使ったら1回だけ開いた。草履をドアにかまして電話した」
原因は一体何なのか。ドアノブを触るや否や…
(丹羽さん)
「ドアノブの問題より錠の問題」
カギを知り尽くしている丹羽さん。すぐに原因を特定。カギ本体の錠ケースと呼ばれる部品の故障で、経年劣化による不具合なんだそう。
(丹羽さん)
「取り換えたほうがいい」
車には約300種類の部品を常備
実は丹羽さん、様々なトラブルを想定。すぐに対応出来るようにしてあるんです。
(丹羽さん)
「(カギ職人を)長くやっているので、こういった商品が出ることは頭に入っている」
なんと車には大小合わせて約300種類の部品を常備。どこに何があるのか、すべてが頭の中に。
(丹羽さん)
「早く対処してくれというお客さんが多い。(いろいろ商品を)持っていないと現場対応できない」
さっそくドアノブを外し、錠ケースを取り換える作業に取り掛かります。
(丹羽さん)「結局、錠ケースが壊れた」
(依頼者)「本体がダメだったと…」
過去には泣かれたことも…⁉
壊れている部分を依頼者に説明。そして、新しい錠ケースに取り換えれば作業終了 と思いきや、突然グラインダーを取り出し、カギが付いていたところを削りだしました。
(丹羽さん)
「新しい錠ケースが数ミリ長い」
元々付いていた錠ケースは古く、新しい錠ケースと長さが違うんです。その違いはたった数ミリ。そのまま取り付けても何の支障はありません。しかし、そこはプロの仕事、妥協は一切しません。
作業開始から約40分、無事完了です。料金は、出張費込みで2万円~だそうです。
(依頼者)
「助かりました。本当にありがとうございます」
(丹羽さん)
「作業終わったあとの、安心した顔を見るとやりがいはある。感激されたことがある。泣かれたことも1回ある」
次の依頼は「カギは壊れていないけど…取り換えて」
続いてやってきたのは、中区にある築50年以上のマンション。依頼者は1人暮らしの高齢女性。カギは壊れていないのですが、「本体を新しいものに取り換えてほしい」とのこと。その理由が…
(依頼者)
「毎週2回リハビリに行く」
Q.部屋を空けることが多い?
「(部屋を空けるのが)決まった時間。怖い」
1人暮らしで家を留守にすることが多く、「50年前の物では空き巣に狙われるのでは」という不安から、カギ本体を新しくするとのこと。
ところが取り外してみると、想定外のことが…
(丹羽さん)
「(カギが)上下逆に付いている。普通はカギ穴がノブの上だけど、逆さまに付いていたから」
今回はドアノブの下にカギ穴が。本来は、ドアノブの上にカギ穴があるのが正しいそうです。
上下逆のカギ本体…合うものある?
はたして、それに合うカギがあるのでしょうか…
(丹羽さん)
「これで合ってるな…。待てよ…これでいいんだ」
約300種類の部品の中から、なんとか合うカギ本体を探し出しました。
逆さまに付いていた理由は分かりませんが、カギ本来の機能には支障がないので、元々付いていた向きで交換することに。30分ほどですべての作業が完了しました。
(依頼者)
Q.これでもう安心ですね
「そうそうそう」
10月・11月は空き巣被害が増加…なぜ?
法務省によると、実は1年でもっとも空き巣被害が増加するのが10月と11月。一体なぜ?防犯設備士の資格も持っている丹羽さんに聞いてみると…
(丹羽さん)
「気候が良くなり行楽シーズンで出かけたりして、日中不在なことが多くなり、その隙を狙って侵入する」
さらに、暗くなる時間が早くなるのも要因の一つだと言われています。
(丹羽さん)
「ガラス破りで侵入するケースが大半。もうひとつ上に補助ロックを付けると有効」
空き巣には、補助ロックが有効だといいます。しかも、付ける場所は窓の上部がベストなんだそう。
(丹羽さん)
「窓の上に付けた方が、外から人目につきやすい」
理由は、生垣など囲いがある家は窓を割っても見えない場合が多い。しかし、補助ロックが窓の上部にあると、それを外すために頭や上半身が人の目につきやすくなるからだそうです。
(丹羽さん)
「侵入に5分以上かかると、泥棒は諦めるという統計が出ている。いかに侵入に時間をかけさせるかがポイント」
金庫のカギを紛失…中に大切な書類があるかもしれない
11月4日午後5時30分。瑞穂区にあるお宅からの依頼、「大切な書類が保管されているかもしれないという金庫の解錠」です。
(依頼者)
「親父が高齢で面倒くさくないように、(ダイヤル部分に)ガムテープを貼った状態でカギだけで管理。そのカギを紛失した。探しているものが中にあると困るので依頼した」
この家で暮らす高齢の父親が、ダイヤルロックの解除がままならないため、息子さんがダイヤルをガムテープで固定。カギだけで開け閉めをしていました。ところが、そのカギを失くし、中に大切な書類が保管されていると困るので解錠を依頼したそうです。
さっそくカギ穴をチェックすると…
(丹羽さん)
「ピッキングでやってみる」
ピッキングとは、専用の工具で内部の部品を操作してカギを開ける方法。熟練の技が必要なんです。カギを知り尽くしているとはいえ、ピッキングはやはり難易度が高い作業。慎重に進めていきます。
依頼者も驚いた…解錠時間たったの2分!
すると作業開始から約2分後…
(丹羽さん)「開きました」
(依頼者)「本当に驚いた」
金庫の解錠はカギのみの場合、料金8000円~だそうです。
(依頼者)
「非常に早くカギを開けてもらえて助かった」
ところで、お目当ての書類は…
(依頼者)
「なさそう!(苦笑)」
CBCテレビ「チャント!」2025年11月17日放送より





