藤井聡太王座、伊藤匠叡王に敗れ“六冠”に 地元もショック 杉本昌隆師匠に聞く敗因と今後の展望

七冠から六冠へ…将棋の王座戦五番勝負は、藤井聡太七冠が挑戦者の伊藤匠叡王に敗れ、タイトルを失いました。
王座戦五番勝負の最終局、藤井聡太七冠が97手で投了しました。
挑戦者の伊藤匠叡王は、去年の叡王戦に続いて2つ目のタイトル奪取に成功。藤井七冠は王座のタイトルを失い、六冠に。
「伊藤叡王に非常に的確に指されたと感じる。少しずつ実力をつけていけるようにがんばっていきたい」(藤井六冠)
対局場となった甲府市の常磐ホテルで観戦していたファンは…。
「自分の実力が足りなかったとおっしゃる気持ちがあれば、まだまだ強くなると思うので、その姿をこれからも応援したい」(将棋ファン)
「やはり伊藤くん強かった。これから将棋界が盛り上がっていくと思う」(将棋ファン)
地元・瀬戸市のファン「まだ信じられない」

藤井六冠の地元、愛知県瀬戸市では、お祝いのくす玉を割ることができませんでした。
「もう悔しいのひとこと。今まで通り応援していく」(地元のファン)
29日朝、伊藤王座は勝者の会見に臨みました。
「藤井さんに初挑戦のころは、なかなか競り合いに持ち込めなかった。今までの対藤井戦で出来なかった将棋が指せたのは、自信につながった」(伊藤王座)
一夜明けた瀬戸市の観光施設では…。
「王座と書かれた懸垂幕が下されて撤去されていきます」(記者)
喫茶スマイルの店長、鈴木松子さんはタイトル獲得などのたびに特別メニューを作り、藤井七冠を応援してきました。
「まだ信じられない。現実として受け止められない」(鈴木さん)
永世称号とあわせて9枚あった懸垂幕がこれで8枚に。
「すこし休んでまだ強い六冠が戻ってくることを信じて、応援メニューつくってがんばっていきます」(鈴木さん)
自身2度目のタイトル献上となった藤井六冠。
2年5カ月ぶりの六冠で迎える次の対局は、31日から京都市の仁和寺で行われる竜王戦七番勝負の第3局です。
杉本師匠に聞く、藤井七冠の敗因

対局後に藤井六冠の師匠、杉本昌隆八段に話を聞きました。
Q.最終局の藤井七冠の敗因は?
「伊藤叡王は“会心の将棋”。最終局はノーミスだった。藤井七冠は読みが合わず、攻めるタイミングすらないまま追い詰められた」
Q.2人はライバル関係?
「まだ藤井七冠が優位。2日制のタイトルは強い。伊藤叡王がもうひとつタイトルを取った時に“真のライバル”となる」
Q.31日の竜王戦(vs佐々木勇気八段)への影響は?
「負けを引きずるタイプではない。逆に過密日程の方が気持ちを早く切り替えられ、勝利が期待できる」





