元プロ野球選手で野球解説者の槙原寛己さんが、名古屋証券取引所とテレビ愛知が共同で運営するYouTubeチャンネル「あしたのマネー」に出演。約40年にわたる自身の投資経験と、これまでの失敗談について語りました。
現在、新しく株式投資を始めた人たちが楽しんでいる様子を見て、槙原さんは「私たちは生きてきた中で、色々な『〇〇ショック』と呼ばれる大きな景気の変動を経験し、本当に痛い目に遭ってきました。簡単に株はすごく儲かるからどんどんやろうと考えている人は、一回立ち止まり、この話を思い出して踏みとどまってほしい」と話しました。
投資を始めたきっかけと当時のプロ野球界の風潮

槙原さんが投資を始めたきっかけは、現役時代に所属していたチームの先輩エースが投資を行っているのを見たことでした。槙原さんは「野球だけではダメだという思いが自分の中に強くあり、チームのエースの人がやっているなら自分もやってみようと思った」と当時を振り返ります。
当時は、プロ野球選手が引退した後のセカンドキャリア(第二の人生)を見据えて、飲食店などを経営する先輩が多くいました。「将来チームの主力になったら、そういうお店の経営などをやらなければいけないという風潮がチーム内にありました。その中で、一人だけ投資がとても好きな先輩がいたため、自分も始めてみようという気持ちになった」と話します。
なお、その憧れの先輩について、槙原さんは「のちに人づてに聞いたところ、その先輩は投資で半端ではない額の損失を出していたそうです。そのため、あえて名前は出さないようにしています」と明かしました。
「上場詐欺」の被害

槙原さんが最初に購入した銘柄は「三菱商事」でした。当時はインターネットやスマートフォンがなかったため、株価などの情報は1日遅れの新聞で確認するしかありませんでした。槙原さんは「帳簿上の価格(簿価)がどうなっているかも新聞でしか分からず、株価が上がっているか下がっているかを見るくらいだった。今思うと、本当によくそんな環境でやっていたなと思う」と話しました。
さらに、プロ野球の現役時代には「もっと簡単に儲けられる」と近づいてくる人々による、上場詐欺の被害にも遭ったといいます。
「食事や飲みの席で『あいつは儲かっているらしい、興味があるらしい』という噂が広まると話が持ち込まれ、もっともらしい説明をされました。しかし、結局上場することなく、そのまま会社が消えてなくなってしまったということが何回もありました」と話しました。
こうした被害に遭ってしまった理由について、槙原さんは「こういう儲かる話は他人に話さないし、妻にも内緒にする。損をすると恥ずかしいので誰にも言いたくない。そういう心理を利用して詐欺が横行していました。当時はインターネットがなく、本当にそういう会社が存在するのか調べる手段もなかったため、『まあいいか』と信じてしまった」と説明しました。 その時の被害額については、「だいたい車が買えるくらいの額でした。」と明かしました。
「泥舟」から抜け出せない投資の心理

槙原さんは、現在の投資で良いとされている「長期保有」「コツコツ積み立て」「分散投資」とは正反対の行動を、自分自身がとってしまうと話します。
「野球に例えると、送りバントやスクイズで手堅く1点を狙いに行くべきだと頭では分かっていても、『今はすごく良い時だから、思いっきりバットを振って(大きな利益を狙って)いこう』という心理になってしまう。そして、思いっきり振りに行ったタイミングで、だいたい株価が暴落する」と話しました。
「『靴磨きの人が株を買い始めたら暴落が近い』という有名な話があるように、自分たちが一斉に大きく買いに走ったときには暴落が起きますので、本当に気をつけた方がいい」と注意を促しました。
今でもスマートフォンやタブレットで常に株価をチェックしているという槙原さん。「本来は携帯やiPadをいつも気にしなければいけない生活は良くないと言っているが、相場が激しく動いている時はどうしても気になって見てしまう。これを楽しんでしまわず、しっかりと『こういう風に動こう』とルールを決めて動ける人が投資で勝てる人です」と話し、これから投資を始める人々に向けて、慎重に判断することの大切さを伝えました。


