
世界で戦う姿を娘に 世界水泳日本代表のパパアスリートが出した決断 種目を絞り拠点を地元へ

8月3日までシンガポールで開催中の世界水泳。27日から始まる競泳には、この地方ゆかりの7名の選手が日本代表として出場します。今回は、三重県・四日市市出身の パパアスリートに迫ります。

三重県内の保育園。娘を迎えに訪れたアスリート。
その正体は、世界水泳代表。四日市市出身、新東工業所属の難波暉(なんばあきら)選手。ニッポン男子最年長の29歳です。
「今回久しぶりに代表に入れて、名簿を見るじゃないですか。西暦2000年以降生まれの人がすごく増えていて、年取ったなと…」(世界水泳 日本代表 難波暉 選手)
4年前の東京オリンピック、自由形を4人で泳ぐリレーメンバーで代表入り。しかし、結果は予選敗退。世界の壁を感じます。
その後も100m自由形に専念しますがタイムがふるわず…。去年、パリオリンピック代表から落選。現状を打破するため、ある決断に踏み切りました。
30歳を前に大きな決断

「もうすぐ30代ですし、体力的にもどうなのかなと思った時に50m自由形だったらまだまだいけるかなと思って、思い切って変えました」(難波選手)
専門種目を50m自由形のみに絞ります。さらに、去年7月から地元の四日市スイミングクラブに拠点を変更。中学まで通っていたプールで、1人で練習する道を選択しました。
短距離特化のメニューに専念することを決めた難波選手。取り入れたのが、特殊な器具を使ったバケツけん引トレーニング。1杯で約60キロの負荷をかけることができます。
「重りを泳ぎながら引っ張っているので、言ったらウエートトレーニングに近いのかな」(難波選手)
海外の選手も使っているというこの器具。所属会社に取り寄せてもらい、パワーと技術を身につけてきました。
「これのおかげで、日本選手権(選考会)を優勝できたようなものです」(難波選手)
一方、プール以外でも短距離選手に必要な筋力をつけるため、鈴鹿市にあるスポーツジムで肉体改造に着手。
強いパワーを身に着けた結果、水をかくストローク数が減少。1かきの推進力が上がりました。
「シンプルに泳ぐ効率が上がっていると思います」
Q.体重も変わったか
「4~5キロ増くらい」
世界で戦うパパの姿を家族に

そんな難波選手、水泳から離れると料理もこなすパパに。難波選手の支えとなっているのは、愛娘の星凪(せな)ちゃんと妻の莉奈(りな)さんです。
夫婦共働き、料理は分担しています。莉奈さんは中京大学水泳部の同期。難波選手が、アドバイスを求めることもあります。
「今こんな泳ぎなんだけどって、前触れなく水中映像を見せられる『はい、見て!どこがダメ?』みたいな。客観的な意見を言う感じです」(妻 莉奈さん)
癒しの存在は3歳の星凪(せな)ちゃん。
Q.星凪ちゃんは、パパが日本代表だということは分かっているか
「それは分からないと思います。記憶は…もうちょっと大きくなったら覚えていてくれるだろうし、あと数年だと思いますけど」(難波選手)
東京オリンピックの翌年に生まれた愛娘にはまだ日本代表で戦う姿を見せたことがありません。
世界水泳の競泳は27日にスタート。シンガポールまでかけつける家族の前でカッコいい、パパの姿を届けます。
「自分が納得できる結果で終わって、また次のロス五輪とかにつなげてもらえたらいいかなと思っていますので、支え続けます」(妻 莉奈さん)
「(家族が)せっかく応援にきてくれるので、変な結果で終わりたくない。世界水泳に向かって準備は万全にしていきます。あたたかく見守っていてほしい」(難波選手)
(7月17日放送メ~テレ『ドデスカ+』より)