ことしはなぜ既に猛烈な暑さ?「チベット高気圧」と「太平洋高気圧」の“ふとんを2枚重ねて”寝ている状態【気象予報士解説】

7日 岐阜県多治見市はことし全国一の暑さを記録
7月7日の最高気温、東海3県でランキングで見てみると、一番高かったのは岐阜県多治見市の38.8℃。これは、ことしの全国一番の暑さでもあります。
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岐阜県かなり内陸部だけではなく、そのほかも各地暑くなりました。名古屋は37.8℃。体温超えの暑さになり、危険な暑さと言われています。
体温超えの気温だと体から熱が抜けない
なぜ体温超えが危険かというと、体温と気温に温度差があれば、熱が移動します。そのため、気温が体温も超えると体の中には暑さしか入ってない、つまり暑さの逃げ場がない、熱が抜けないのです。
そのため危険な暑さには、十分な注意が必要となります。
名古屋の猛暑日 7月は7日の時点で平年並みに
名古屋の猛暑日、6月の日数を調べてみました。
名古屋の35℃以上の猛暑日、6月はことし4日ありました。これは観測史上最も多く、平年だと0.1日なので、本来ならば10年に1回ぐらいしか猛暑日がないのです。平年とは30年ぐらいのスパンですが、30年の平均で0.1。しかし、ことしは4日もあったんです。
そして7月は猛暑日が平年だと5.2日です。それが7日の時点で5日となり、31日分の7日しか経っていませんが、平年並みの猛暑日の日数になってしまったのです。
なぜ暑い?原因のひとつは「高い海面水温」
猛烈な暑さが早めにやってきた原因はいくつかありますが、三重大学の立花義裕教授にお聞きしたところ、ひとつは「高い海面水温」です。
海面水温が高いと空気も暑くなるため、その空気が流れ込んでくれば、もちろん晴れて暑くなる。太平洋高気圧に覆われて、暑くなったというわけです。
さらに、もう一つ日本の西のチベットの辺り。このチベットから暑い空気が流れ込んできているので、ことしはさらに暑さに拍車をかけたということですが、ことしの夏はどうなるのか…。この「チベット高気圧」と夏の「太平洋高気圧」、この2つの高気圧に注目です。
2つの高気圧で“ふとんの2枚重ね状態”
この二つの高気圧が強いと猛烈な暑さになります。
これが、ことしはかなり勢力が強くて北への勢力が強いため、ことしは布団を2枚重ねて寝るような感じで、暑くなる見通しです。
8月も気温は平年より高い予想
7月の暑さ…これは平年より気温が高いと赤く表示してますが、8月も全部赤い表示です。ことしの夏は並々ならぬ暑さとなりそうです。