国民一律の現金給付案は見送りに それなら消費税の減税案は? 物価高への経済対策を専門家に聞いた

3万円か5万円か。政府・与党は経済対策として検討していた現金給付を行わない方針を固めました。もう一つ、浮上していた消費税減税案はどうなるのでしょうか?
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減税か現金給付か。市民が求めているのは一体どちらなのか。名古屋の街で聞きました。
(70代男性)
「長い目で見たら、やっぱり減税でしょうね。現金の給付は一時的なもの。減税の方が、ちょっと長い間続く。はるかに現金給付より(恩恵が)多くなるのではないか」
(30代男性)
「減税ですね。子どもができて、ご飯を食べるので。今までの2人暮らしより、どうしても経費がかかる」
(30代女性)
「一時的に給付されても一時的なものなので。継続していただける方が」
(30代女性)
「消費税(減税)の方が良いかな。お金もらったらOKではなくて、平等に自分にも還元されてくるかなと思う」
インタビューをした9人のうち、なんと8人が減税を希望。少数派の現金給付派は。
(10代男性)
「目に見えてもらえる。もらえた方が使いたくなる、実感もあるし。現金の方が僕はいいなって思います」
現金給付か減税か、有効なのはどちら?
物価高に苦しむ国民にとって、本当に有効なのはどちらなのか。専門家に聞きました。
(名古屋大学 家森信善 名誉教授)
「今、起こっている問題が短期間で済むなら現金給付の方がいいと思う。現金給付は割とすぐに対応できます。減税をやろうということで議論して、このまま半年とか1年たってしまうと。何をしているのか分からないというふうになってしまうのでは」
一方で、物価高が長期的に続く場合には消費税減税の方に軍配があがるといいます。
(家森信善 名誉教授)
「食料品(の消費税)を0%にするというタイプのような減税ですと、食料品価格が、その分約8%程度下がる。いま食料品やコメが高いと悩んでいる、われわれにとっては少しでも安く買えるというメリットがある」
やはり、何らかの経済対策が必要な時期なのでしょうか?
(家森信善 名誉教授)
「問題がたくさん起こっていますので、何らかの対応をとってほしいというのは国民全体の希望だと思う。減税あるいは給付金の原資というのは、われわれが将来稼いで返していくというものなので。ここで、その分を使ってしまうということが次のショック、次のもっと大事な政策に対応する力を弱める。そういうコストを考えながら判断しないといけない」