1日で火災が11件発生した日も 火災が起きたら煙の動きを把握 壁をつたっての避難も有効

1月24日、春日井市花長町で住宅2棟を全焼する火災がありました。1月7日には、名古屋市中区大須で、2024月年12月5日には瀬戸市で火災が発生するなど、愛知県内各地で火災が相次いでいて、消防は火の取り扱いに注意を呼びかけています。

愛知県内で2024年12月に起きた建物火災の件数を調べてみました。ほぼ毎日、火災が起きていて、1日11件起きている日もあるんです。12月の火災件数の合計は県内で109件でした。消防庁によりますと、2023年はコンロやたばこ、電気機器が火災の要因として多いといいます。2024年も同様の傾向になりそうだということです。
まだまだ空気が乾燥する時期が続きます。火災を起こさないためには、どんなことに気を付けたらよいのか。また、火災が発生したら、どう身を守ればよいのでしょうか。
※12月の建物火災の件数は、県内消防本部の速報値をテレビ愛知がまとめたものです。

訪れたのは、豊田市にある防災学習センターです。豊田市消防本部予防課の吉川雄介さんに話を聞きました。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「電気ストーブや普通のストーブを使っている中で、燃えやすいものが近くにないようにする。洗濯物を上に干すことはしないようにする。また、コンロ周り、料理をする際に雑巾や生ごみが近くにあると、そちらに燃え移る可能性があるので、コンロ周りは綺麗にしていただきたい」
意外なところにも火災の要因が潜んでいます。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「自分が着ている服も燃えやすい。コンロで手を伸ばした時にそちらに(火が)ついて着衣着火が起こる」
火災を防ぐためにはスプレータイプの消火器や燃えにくいエプロンなどを備えることが大切です。さらに部屋の天井でよく見かける火災感知器は定期的な点検が必要です。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「だいたい交換の目安が10年くらい。電池切れを起こしたり、実際の火事で使えないと元も子もない」

備えをしても火災が発生してしまった場合、身を守るにはどうしたらよいのか。火災が起きた時の「煙」を疑似体験できる設備です。火災が起きた時、特に「煙」に注意です。火災の煙は一酸化炭素などの有毒ガスを多く含むので、煙を吸い込むことで中毒を起こし、最悪の場合は死に至ることがあります。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「ハンカチやタオルを持っていたら濡れた状態で口や鼻を覆ってもらうと良い。ない場合、(服の)袖などで覆ってもらえればいい」

さらに煙は視界を奪います。煙の動きを把握して避難する必要があります。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「煙は上から順番に下に降りていく。低い姿勢になることで、下が上より見やすく、煙だけでなく熱も上から下におりてくるので」

ただ、時間が経ち、煙が充満すると低い姿勢でも周りが見づらくなります。そこで…
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「なるべく壁をつたって避難するよう心がけてください。壁を触っていくことによって扉や次の道がわかる。扉のドアノブや次の逃げる道がわかるので壁を使うのは効果的です。また、スマホのライトを使うのも効果的。(煙で周りが)暗くなっているので、光を照らすことで安心感がある」
火災が起きても慌てず避難してほしいといいます。ただ、まずは火事を起こさないこと。まだまだ空気が乾燥したり、暖房器具を使用する機会が、続くため、火災予防の意識を高く持ってほしいと訴えます。
豊田市消防本部予防課 吉川雄介さん:
「県内や市内で火災の件数が1件でも減らせるように、市民の方にも火の取り扱いに十分注意して生活してもらいたい」
※吉川雄介さんの「吉」は、下が長い「土」