国内に、わずか5頭。この春、愛知生まれのチベットモンキー4頭が新たな一歩を踏み出します。
SNSで話題を集める“看板ザル”

愛知県犬山市にある『日本モンキーセンター』で飼育されているチベットモンキーが、神奈川県の『よこはま動物園ズーラシア』へ引っ越すことが決定しました。
SNSでも人気を集めてきた“看板ザル”たち。今回の引っ越しをもって、日本モンキーセンターでは、チベットモンキーが見られなくなります。
チベットモンキーは、中国南部の高地や寒冷地に生息するサル。ニホンザルに近縁なマカク属に分類されます。マカクで最大の種であり、オスは15キログラム前後、メスは10キログラムほどに成長します。
なかでも知られているのが、「ブリッジング」と呼ばれる行動。オトナ同士がコミュニケーションをとる際、コドモを連れてきて抱きかかえるなど、ユニークで愛らしい姿も有名です。
強い正義感、気遣い上手...感情豊かな性格にも注目

今回引っ越しするのは、カルト(メス)、サム(メス)、ザルバ(オス)、アルカ(メス)の4頭。
来園を促すために始めたSNS投稿がきっかけで人気となり、今では多くのコメントが寄せられる同園の“顔”です。同園担当者によると、オスのザルバに会うため、スイスから足を運んだファンもいたといいます。
それぞれの性格にも、個性が際立ちます。少し気難しいところがあるカルトに正義感が強いサム、臆病だけど食べることが大好きなザルバに、気遣い上手のアルカ。感情豊かな4頭は、来園する人々の心を惹きつけてきました。
国内飼育は5頭、チベットモンキーが希少な理由

国内の動物園で飼育されている、チベットモンキーはわずか5頭。そのうち4頭が、日本モンキーセンターで飼育されています。なぜ、チベットモンキーは、日本で希少な存在なのでしょうか。
同園の担当者によると、チベットモンキーは、1982年ごろから同園と横浜市立野毛山動物園で飼育が始まり、何回かの繁殖を経て、現在の5頭になったといいます。世界的にも飼育例は少なく、現在は中国6園、台湾1園、日本2園のみ。
サル類の海外からの輸入は、ワシントン条約や感染症予防法による規制で非常に厳しく、チベットモンキーが中国に固有の動物であることから、1982年以降輸入されることがなく、国内では現在5頭まで減っている状況だといいます。
なぜ今、“全4頭”が横浜に引っ越すのか?

よこはま動物園ズーラシアでは、日本モンキーセンターから移動したミート(メス)が単独で飼育されています。今回の引っ越しは、その単独飼育を解消することが目的です。
横浜にいるミートを同園に戻すことや分散飼育も検討されましたが、飼育施設の老朽化や再び単独飼育になってしまう可能性、そして個体の年齢を考慮し、「負担のかかる移動はこれが最後のチャンス」と判断。横浜市と協議を重ね、横浜で5頭が再び同居し、暮らしていく道が選ばれました。
4頭の引っ越しは、2回に分けて実施。3月10日にカルトとサム、4月中にザルバとアルカが続きます。日本モンキーセンターで、4頭をそろって見られるのは、3月7日まで。3月8日以降は、予告なく個体の展示を終了する可能性があるといいます。

4頭の暮らしが見られるのは、残りわずか。同園の担当者は、「慣れ親しんだ施設での様子、担当飼育員とのやりとりや餌の様子など、日本モンキーセンターでしか見られない今の姿を、ぜひ目に焼き付けていただければと思います」と来園者へメッセージを述べました。


