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玄関先に象形文字のようなマークは「マーキング」　住宅侵入盗の犯人が事前下見で行うマーキングが変化

06.10(火)15:57

「侵入盗」の被害が増えています。愛知県内で発生した侵入盗の被害件数は、2025年に入り4月末までに1038件と、前年の同じ時期より73件増加。警察は防犯対策を徹底してほしいと呼びかけています。

侵入盗は事前に建物の下見を行ってマーキングするケースが多いのですが、最近は変化が起きています。被害に遭わないために注意できることはあるのでしょうか。侵入盗の手口に詳しい防犯アドバイザーの京師美佳さんに話を聞きました。

ガスメーターに書かれた「WC16-20」の文字

大阪の住宅で撮影されたマーキング。「WC16-20」＝女性と子供が16時から20時の間、留守

――侵入盗に標的にされないよう注意することはあるのでしょうか。

防犯アドバイザー京師美佳さん：
「まず、犯人がやみくもに侵入盗に入るケースは少ない。事前に住宅の下見を行った犯人が住民に関する情報を共有するため、アルファベットや数字などを玄関口に書くなどしてマーキングされているケースが多いです。この写真は実際に大阪の住宅で撮影されたマーキング。こうしたマークが書かれていないかチェックが必要です」

――この「WC16-20」は何を意味しているのでしょうか。

「WがWOMENの頭文字で女性、CがCHILDの頭文字で子どもを意味しています。その横の数字は16時から20時、つまり『女性と子供が16時から20時の間、留守にしている』という意味になります。マーキング自体は20年ほど前から存在していますが、現在も多く確認されています」

エアコンの室外機、水道メーター、側壁などに注意

――マーキングをすることで捕まるリスクがある中でも現場に痕跡を残すのですね。

防犯アドバイザー京師さん：
「いまは特に闇バイトなど当日雇われた人間が犯行を行う場合、どこを狙ったらいいのか、何時に入ればいいのか分かりません。そうしたものを近くに書いて残しておくのです。ガスメーターの上やエアコンの室外機などに書かれていることが多いです」

――最近のマーキングの傾向はいかがでしょうか。

「マーキングされる場所も変わってきていて、昔はドアや、ガスメーターの上など比較的目につきやすい場所に書かれていましたが、最近は、エアコンの室外機の足場やガスメーターのふたの裏など、住民が普段見ることのない場所に書かれているケースが増えています。

誰も見ないような場所にマーキングされていることがあるので、定期的にチェックしていただきたいです」

象形文字のようなマーキングも

また、最近では象形文字のようなマーキングも増えているといいます。

――丸い輪が5つと、三角が2つありますね。

防犯アドバイザー京師さん：
「左がお金持ちを意味する象形文字で、右がお金持ちの女性を表しています。三角2つは、三角が女性のスカートを表し、とげのようなものがついた逆三角形はダイヤモンドを表しています。女性のお金持ちが住んでいることを指します」

防犯アドバイザー京師さん：
「またこれは2024年、福島県で撮影された写真で、住宅の敷地内に設置された柵に書かれていました。このカメラマークは、『監視が行き届いている』ということを意味しています。『ここは行くな』という意味にもなっています。これも最近増えているマークです」

マーキングを見つけたら、写真撮影→警察に報告を

――実際にマーキングを見つけた場合、どうすれば良いでしょうか。

防犯アドバイザー京師さん：
「情報が犯人に伝わらないように、最終的には消していただきたいのですが、まずはすぐに写真を撮って警察に報告してほしいです。マーキングの中には、悪質な訪問販売を目的としたものもあれば、強盗を目的としたものもあります。重点パトロールをしていただかないと、どういった目的でマーキングをしているのか分かりません。

強盗の場合は、命の危険が迫っているケースもあるので、マーキングを見つけたらすぐに写真を撮って警察に相談するようにしてください」

防犯対策グッズなどを紹介するイベントを開催

こうした相次ぐ侵入盗の被害を防ごうと、防犯対策グッズなどを紹介するイベントが6月9日の「ロックの日」に、イオンモール木曽川で開かれました。このイベントは、愛知県内で相次ぐ侵入盗の被害を防ごうと、愛知県警や一宮防犯協会連合会などが企画しました。

イベントではバールを使って扉をこじ開けるなどの実際の侵入盗の手口が紹介されたあと、ドアの隙間にバールが入らないようにする「ガードプレート」と呼ばれる防犯グッズなどが紹介されました。

愛知県内で発生した侵入盗の被害件数は、2025年に入り4月末までに1038件と、前の年の同じ時期より73件増加していて、警察は防犯対策を徹底してほしいと呼びかけています。

愛知県警生活安全総務課　山田幸司警部：
「（犯人は）お金がおいてある店舗や自宅も狙いますが、それよりも泥棒に入りやすい自宅、店舗に入る傾向があります。防犯対策をしていただいて泥棒に入られない環境づくりをお願いしたいです」