冠水した道路は危険がいっぱい 車から脱出は? 歩いて移動は? 再現した施設で体験してみた

最近は、天気の急変などで短時間に集中的に雨が降り、河川の増水や道路の冠水が起きることも珍しくありません。こうした場合、どう対処すればいいのでしょうか?
活発な梅雨前線の影響で、23日から大雨となっている東海地方。
気象庁は24日、岐阜県関市付近で午前4時20分までの1時間に約120mmの猛烈な雨が降ったとみられると発表しました。
23日は高山市で12時間で190mmの雨が降り、6月としては統計開始以来、最多を記録しました。
冠水した道路で車から脱出するのは困難

河川の氾濫や土砂災害など、大雨災害がいつどこで起きてもおかしくない、危険なこの時期。
「実際に大雨で冠水した現場に出くわした時、どんなことに気をつければいいのでしょうか」(石神愛子アナウンサー)
訪れたのは愛知県大府市にある災害体験施設「DAIWA 防災学習センター」。
まずは、車の中にいる状態で、道路などが冠水した場合です。
冠水した際の水圧を再現した装置。水位60cmほどまで浸かった想定で、扉を開けようとすると――。
「開けます。全体重をかけているんですが、動きません」(石神アナ)
「エンジンに水がかかると、電気系統が全部やられてしまうので、まずドアが開かないし、ウィンドーも下りません」(防災士 寺島恵さん)
冠水した道路で、扉を開けて車から脱出するのは困難を極めます。こうした場合の対処法は――。
「レスキューハンマーなどを使うと、窓ガラスが簡単に割れるので脱出してほしい」(寺島さん)
愛知県豊橋市では2023年6月、冠水した現場で水没した軽乗用車が見つかり、60代の男性が死亡しています。
冠水した道路はすり足で棒を使って

続いて体験するのは、ボールで満たされた通路。冠水して足元の様子がわからない道路を再現しています。
「一歩一歩動きづらいですし、下がどうなっているのかわからないので、一歩進むのが…穴にはまりました」(石神アナ)
障害物がなければで数秒で通り抜けられる短い通路ですが、今回はゴールまで4分かかりました。
「普通の歩行の感覚で歩いていくと、マンホールのふたが開いていると、落ちたりして危険なので、棒などを使ったり、歩き方としてはすり足が良い」(寺島さん)
実践してみると――。
「すり足ですと、足を移動させながら地面の状況を確認することができるので、より安全に動くことができるような気がします」(石神アナ)
ただ道路が冠水した場合、無理に移動することはなるべく控えましょう。
「冠水した道路を歩いてまで避難所に行く人も多いが、逆に危険なので、家で2階に上がれるようなら、上がった方が安心だと思います」(寺島さん)