夏も「結露」に要注意! スマホが故障、家の断熱材がびしょびしょに 早く気付くには?

気温が上がる夏にも気をつけたいポイントがあります。外の暑さとエアコンの効いた室内。この温度差がもたらす「夏の結露」に要注意です。
お盆明けも厳しい暑さが続く東海地方。エアコンや冷たい飲み物が欠かせない季節ですが、この時期に気にしておきたいのが「結露」です。
結露といえば冬のお悩みというイメージですが、実は夏も意外な場所で「結露」が発生。思わぬトラブルを引き起こすことも…
まずは現代人の必需品、スマートフォン。
「水に落とすのと同じぐらい『結露』に関しては危険という認識をしてもらえれば」(「スマホ修理王」大須店 小塚徹 店長)
小塚店長によりますと、スマートフォンの結露が原因とみられる故障・修理の相談は、気温が高くなる6月下旬から9月下旬にかけて多くなるそうです。
スマホに「水没」の警告が

そもそも「結露」とは、空気中に含まれる水蒸気が冷たい部位に触れることで水滴となる現象です。冷たい部分とあたたかい部分の「温度差」が大きいと、起こりやすくなります。
スマートフォンの場合、高温多湿な空気が内部にこもった状態でエアコンの効いた室内などに持ち込まれると、外側との温度差がうまれ、内部が結露しやすくなるといいます。
「原因が分からないけど『水没の警告が出てしまった』というので、状況が把握できないままご依頼いただく方が多い。実際に分解をすると内部に結露が発生していた」(小塚店長)
実際に結露したスマートフォンを見ると、カメラレンズの内側が曇っているのが分かります。分解すると、基板が水に濡れてしまっています。この状態で電源を入れたり充電したりすると、ショートして故障するおそれがあるといいます。
「運動が終わった後にエアコンのきいた部屋に移動した際、ズボンから出して急激に端末が冷えて内部で結露が発生することもある。結露が発生してしまったら、下手に乾燥させずに修理店に早い段階で持ち込んでいただくのが一番」(小塚店長)
住宅の壁裏にも…

冬の結露と違って“目に見えない”、やっかいな夏の結露。
思わぬトラブルを引き起こしかねないリスクは、住宅です。
「内壁を剥がして断熱材、防湿シートと断熱材を見てみるとびちょびちょに。断熱材を握ってみると水がぽたぽたと落ちるくらい『夏型結露』が起きていた」(屋根メーカー「神清」 神谷昭範さん)
愛知県半田市の屋根メーカー「神清」で雨漏りなどを研究する神谷昭範さんによると、夏場は屋外の暑い空気が屋内のエアコンなどで冷えた空気と触れることで結露が発生するそうです。
その結露ができる場所が「壁の裏側のスペース」だといいます。
他にも天井にはめ込むタイプの照明の「ふち」をよく見ると水滴が。照明を外してみると、裏側が結露していることが分かります。どちらも部屋の中からは見えない「死角」にあたります。
「熱中症対策としてエアコンをずっとつけることが常識になっているので、壁内で夏型結露はこれからどんどん被害事例が出てくると思う」(神谷さん)
コンセント付近から異臭がしたら要警戒

見えづらい夏型の結露に、少しでも早く気付くには…?
「壁のコンセント付近からカビ臭い異臭がぽわ~んと出てきているのでわかる。ペット臭というか、普通じゃない臭いがコンセント周りからしたら要注意」(神谷さん)
また、クロスや壁付近の床がカビで黒ずんでいると、その裏側で「夏型結露」が発生している可能性も。カビを放置してしまうと、どんどん広がっていき、それを吸い込むことで健康被害につながる可能性もあるため対策が必要です。
「室内を冷やしすぎないというのが重要。そのためにはエアコン設定温度を高めに設定するのと、合わせて扇風機を使って体感温度は下げながら室内を冷やしすぎない。空気を動かすことでカビと夏型結露の対策になる」(神谷さん)