後を絶たない用水路転落事故 下呂市は死亡事故で用水路の一部にふた設置 一方で排水機能低下の懸念も

GW最終日、兵庫県で1歳の子どもが用水路で浮いているのが見つかり死亡しました。誤って転落したとみられます。後を絶たない用水路への転落事故。命を守るためには何が必要なのでしょうか。
ゴールデンウィーク最終日の6日夜に兵庫県丹波市で起きた水難事故。1歳の男の子が死亡しました。
警察によりますと、母親が自宅で少し目を離した間に姿が見えなくなり、50mほど離れた用水路に浮いているのが見つかりました。
付近の防犯カメラには男の子が1人で歩いている姿が映っていて、警察は誤って用水路に落ちた可能性が高いとみて調べています。
用水路への転落事故は、東海地方でも。
東海3県の各県警によりますと、去年、3県で合わせて9人が用水路での事故で亡くなりました。
死亡事故を受け、用水路の一部にふたを設置

岐阜県下呂市では去年5月、4歳の女の子が用水路につながる貯水池で見つかり、死亡が確認されました。
誤って用水路に落ち、流されたとみられています。
事故から1年。下呂市の現場付近を、9日再び訪れてみると――
「このようなフェンス、用水路のふたや注意看板を設置しました」(下呂市農務課 成瀬武晴 課長)
下呂市は事故を受け、用水路の一部にふたを設置。
転落の危険があると判断した3カ所にはフェンスを設けました。
用水路に近づかないよう呼びかける看板も新たに9カ所追加したといいます。
一概にふたをしてしまえば問題が解決するわけではない

対策について、地元の住民は――
「勢いがあるので、流されそうだなという感じはあった」(8歳と5歳の親)
「むき出しになっているのはよく知っていた。子どもたちが通る場所に対策が取られるのは喜ばしいことだと思っています」(付近の小学校教員)
一方で、いまだにふたやフェンスのない場所も。下呂市の担当者は――
「ふたをすると土砂や異物が流れてきた時に詰まってしまうことになるので、清掃面やメンテナンスが大変になる。基本的にはオープンにしている。水路の管理者からすると、ふたがないほうがいいし、安全面から考えるとふたがあったほうがいい」(成瀬課長)
ふたをすることで排水機能も低下するため、一概にふたをしてしまえば問題が解決するわけではない用水路。
対策にかかる費用も負担になるといいます。
「ここをやれば他の水路も、となり、何キロも総延長が長くなる。ランク付けをしていく必要がある。市の単独の費用だと難しいので、国や県の補助事業を考慮しながら考えたいと思っています」(成瀬課長)