
浸水した四日市のものとよく似た名古屋駅前の『地下駐車場の豪雨対策』都市部に潜むリスクと安全確保の課題


記録的豪雨で三重県四日市市の地下駐車場が浸水し、多くの車が水没しました。都市部に数多く存在する地下施設は大きなリスクを抱えています。名古屋駅前のユニモール駐車場の対策や補償問題から、安全確保の課題を考えます。
■豪雨被害を教訓に強化…「ユニモール駐車場」の大雨対策
9月12日の記録的な大雨では、四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」に水が流れ込み、大きな被害が出ました。18日には、排水作業が完了していましたが、多くの車が搬出されないまま残されていました。豪雨の際リスクを抱える地下空間。大型駐車場をはじめとする地下施設では、豪雨に備えて実際にどのような対策が取られているのでしょうか。

名古屋駅のすぐ目の前にあるユニモール駐車場。冠水被害を受けた四日市の地下駐車場とよく似た街中にある地下駐車場で、地下2階には254台の車を収容できます。大雨が降った場合、どのような対策が取られているのでしょうか。

ユニモールの担当者: 「入り口に設置している止水シート。高さは約1メートルまで耐えられるとメーカーから聞いています」

駐車場の入り口には止水シートが備えられており、入り口近くの排水設備に設置されたセンサーが道路の冠水を検知したり、地上を映すモニターで危険を察知した場合に設置されます。

2008年、名古屋駅構内に水が流れ込んだ豪雨では、駐車場の上に広がるユニモール地下街も浸水したため、翌年には大雨対策を強化。

地下街の出入り口には危険と判断された際に止水板が設置されるということです。

安全と利便性を両立させるために、こうした対策の積み重ねが欠かせません。
■増加する “水没車”トラブル…地下駐車場の責任は
今回のように水没によって車に被害が生じた場合、駐車場側に補償を求めることはできるのでしょうか。

名古屋に事務所を構える古澤健一弁護士によると、多くの駐車場では自然災害による損害を免責事項としており、責任追及は難しいケースが多いといいます。ただし、時間的余裕はあったのに止水板を設置しなかったり、整備不良などの欠陥があった場合には、駐車場側の責任を問える可能性があると指摘します。

今回の「くすの木パーキング」では、車両用出入口3カ所のうち2カ所で止水板が故障していたとのことです。駐車場側は「その他の利用者用の出入口などに止水板を設置しようとしたが、急激な浸水により間に合わなかった」と説明しています。 常に豪雨のリスクが潜む地下空間の安全確保は大きな課題です。 2025年9月19日放送