世界中の料理の土台となる「ダシ」。カツオや貝、豚といった動物性の材料を使わずその風味を再現する技術とは?
【植物性で豚骨味?】不二製油が開発!大豆やキノコで動物性の旨味を再現する「ミラダシ」

外国人観光客が行き交う大阪・道頓堀。その一角に、特に外国人の人気を集めるラーメンがあります。
インドからの観光客:
「私はベジタリアン、彼は鶏肉なら食べられる」
「とてもおいしい」

メニューには動物由来の食材を使用しない「ビーガン」の表記があるものの、味は「豚骨」と掲げられています。

その味を作るのは大阪・泉佐野市にある不二製油。

植物性の油や、業務用チョコレートのほか、代替肉として注目されている大豆ミートを製造しています。

同社が開発したのが、植物由来の万能だし「ミラダシ」です。植物由来の素材だけを使い、魚介や豚骨など動物性の風味を再現したといいます。

不二製油 風味基材事業部 齋藤努部長:
「油脂とタンパクに関するオリジナルの技術というのをたくさん持っている。それの組み合わせをすることができると、植物性なのですが動物っぽい感覚を生み出すことができます」

目指したのは植物由来の食材では感じにくい、動物性食材の満足感。

それをもたらすのは、高脂質・高たんぱくだと考え、自社でノウハウを持つ植物性の油脂とたんぱく質の組み合わせ方によって、再現しようとしたのです。

そして、同社は2021年に「ミラダシ」として商品化。

例えばカツオ風味の場合、大豆ペプチド等で独特の旨味を再現しています。

また、土っぽさはキノコ類、酸味は酢や酒など発酵させた食品でも再現できるというノウハウをもとに、あらゆる組み合わせで味を表現しました。

先ほどのラーメンに使われている豚骨味や、チキン、エビ、貝など6種類の味を展開。粉末タイプもあります。
【広がる導入】ホテルバイキングや万博会場、老舗うどん店でも採用

外国人客もよく泊まるという泉佐野市のホテルのレストランでは、ランチバイキングで提供されているパスタにミラダシが使われています。

スターゲイトホテル関西エアポート 橋本学総料理長:
「ベジタリアンやビーガンの方が主ですけれども、一般のお客様も普通に、今のバイキング形式で提供させていただいておりますので、正直今までのお声の中では気づかれてない方の方が多いと思います」

2025年開催された大阪・関西万博の会場では、人気ラーメン店一風堂がミラダシを使ったラーメンを販売。

大阪で80年続くうどん店でも、9月からミラダシを使ったメニューの販売が始まるなど徐々に広がりを見せていて、今後はアメリカやヨーロッパといった海外での販路も拡大していく考えです。
【世界市場へ挑戦】欧米のニーズ捉え2030年度までの黒字化目指す

日本経済新聞社 大阪支社 岡村真帆記者:
「ミラダシは同社が創業以来積み上げてきた技術が最も活かされている製品だと感じます。欧米では非動物性食品のニーズが高まっています。コストが先行している事業ではあるのですが、海外にも展開していくにあたって、30年度までに黒字化を目指している」

不二製油 風味基材事業部 齋藤部長:
「海外における例えば日本食というものも、だしのコントロールを現地の人に伝えるのが難しいといわれているので、高度にその標準化された味を提供できれば、市場を一気に広げられるビジネスチャンスにつながるため、しっかりと取り組んでいきたいです」


