
スマホやPCで災害リスクをチェック・重ねるハザードマップ・地震10秒診断【暮らしの防災】

自宅の災害リスクを知るために「ハザードマップを見ましょう」と、よく言います。ハザードマップは市役所・町役場・村役場で入手できます。市町村のHPからもダウンロードできます。とは言えハザードマップは、広げると結構大きかったり、逆に数枚の分割版になっていると自分の家がどのページかすぐに分からなかったりします。また「地震」「津波」「土砂災害」「洪水」など、それぞれにハザードマップがあり、チェックが大変です。そこでパソコンやスマホ・タブレットで災害リスクをチェックできる国土交通省や防災科学技術研究所のWeb版のハザードマップを紹介します。(※不動産購入時の確認や重要事項の説明などには使えません。)
国土交通省「重ねるハザードマップ」

重ねるハザードマップは、国土交通省が作ったWeb地図サイトです。災害リスク情報や防災に役立つ情報を、全国どこについても重ねて閲覧できます。
パソコンやスマホでチェックできるので、出先でもハザードを確認できます。「重ねるハザードマップ」で検索するとTOPページが表示されます。
最初は「日本全土」が表示されます。一般のWeb地図と同じように簡単にズーム・視点移動ができるので、自宅がある街や会社・学校・出かけ先の街を表示させることが出来ます。
ハザードを選んでチェック

画面左にある小ウインドウのアイコンで地図に重ねるハザードを選択します。上の画面は名古屋市南部周辺で、「津波」のハザードを表示しています。
想定南海トラフ巨大地震での、最も被害が大きいケースでの浸水想定です。ZOOM機能で30m四方(メッシュ)までクローズアップできるので、自宅の災害リスクを確認できます。表示できる災害は「洪水」「土砂災害」「高潮」「津波」「道路防災情報」です。(その他にもさまざまな情報を重ねて表示できます。使いなれたらチャレンジしてみて下さい)
「重ねるハザードマップ」では、各機関が作った地図情報を、同じ画面で見られるようにしています。但し各機関のハザードマップは、メッシュの大きさや表示方法が違うことがあるため、重ねるハザードマップにする時に調整しています。
表示されていない河川もあり、その浸水リスクは表示されません。また各機関がハザードマップの情報を更新した時、すぐ「重ねるハザードマップ」に反映されるわけではありません。正確なリスクを把握する時は、各機関のハザードマップを確認してください。
防災科学技術研究所「地震10秒診断」

防災科学技術研究所・日本損害保険協会による「地震10秒診断」は、アクセスした人の現在位置で、今後30年以内に震度5弱~震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率を表示します。
さらに、その地震が起きた場合に想定される『停電日数』『ガス停止日数』『断水日数』『家屋の全壊確率(木造および鉄骨コンクリート造)』『出火確率』の5種類のシミュレーション結果を表示します。かなりスグレモノのサイトです。
画面はメ~テレ本社がある「名古屋市中区橘2-10-1」を診断した結果です。
最初の診断では、現在地での被害想定が自動的に表示されます。2回目以降は、場所の設定を変えることができます。右画面を下にスクロールすると、検索したい場所を入力する欄「場所を変えて診断しなおす」が出てきます。
そこに知りたい場所の住所を入れて「診断」をクリックすればOKです。
※診断結果は防災科学技術研究所の研究結果に基づき算出しています。必ずしも診断結果どおりの被害が発生するものではありません。ご注意ください。
<我が家の防災は、気になったらすぐ!>
防災は「自分を襲う可能性があるリスク」を知るところから始まります。いつ自然災害に襲われるかは分かりません。気になったらすぐに対策を始めてください。まずは、部屋の耐震対策、家の耐震補強、食料備蓄からスタートです。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。