
阪神・淡路大震災 直下型地震を学ぶ 人と防災未来センター【暮らしの防災】

「南海トラフ巨大地震とはどんな災害か?」を伝える時、「阪神・淡路大震災」の震度7の激しい揺れ+「東日本大震災」の大津波と説明しています。東日本大震災は2011年ですし、あの大津波の映像を目にする機会があるので、イメージできると思います。
しかし阪神・淡路大震災は1995年です。被災地も「街としては復興している」ので、「震度7の激しい揺れの恐ろしさ」について、「もし自分がそうなったら」とイメージするのは、難しいかもしれません。そこで今回も「阪神・淡路大震災(1995年1月17日)」について学べる施設を紹介します。神戸市にある「人と防災未来センター」です。
人と防災未来センター

人と防災未来センターは、2002年4月に国と兵庫県が、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に活かすために設置しました。
大震災を体感できる展示をしているだけでなく、災害の資料を収集してデータベース化、防災研究・若手防災専門家の育成、大災害の発生時は現地調査・被災地支援を行うなど、人と防災未来センターは総合的な防災・減災施設です。(写真は全て「人と防災未来センター」提供)
迫力の映像で追体験 1.17シアター

施設の見学は有料です。西館4階にある震災追体験フロアの「1.17シアター」では、阪神・淡路大震災の地震破壊のすさまじさを、大型映像と音響で体感できます。
震災体験のない人も阪神・淡路大震災がどのような地震であったのかを追体験できるとしています。『5:46の衝撃(上映時間7分)』。
破壊された街をジオラマで再現

「1.17シアター」を出るとジオラマのコーナーです。強烈な地震動で破壊された極限状態の街を、ジオラマ模型で再現してあります。街が破壊され茫然自失となった被災者と同じ状況に追い込まれます。
阪神・淡路大震災では、地震に弱い木造住宅だけでなく、鉄筋コンクリートの住宅も1階が潰れました。いわゆる「ピロティー」が潰れました。ビルの中層階が潰れたケースもありました(挫滅)。高速道路が倒れ、鉄道路線がぐちゃぐちゃになり、火災で商店街は無残な姿となりました。そのリアルな再現が迫ってきます。
震災の記憶を残すコーナー

震災に関する多数の実物資料を提供者の体験談とともに展示しています。地震による被害の姿を、「暮らしの中の出来事」としてより身近に感じることができます。
人と防災未来センターは、直下型地震の恐ろしさを身をもって理解できる施設です。部屋の耐震対策、建物の耐震補強の必要性がしっかり分かります。
人と防災未来センターへのアクセスはHPに掲載されています。電車で行く場合は、阪神電鉄岩屋駅、春日野道駅(東改札口)から徒歩約10分、JR 灘駅(南口)から徒歩12分などとなっています。私は行きは山陽新幹線で「新神戸駅」に行き、そこからタクシーを使います。帰りは、センターの近くにあるバス停から路線バスに乗り「三宮」に行って、そこで食事をするなどし時間を過ごしています。
見学料金、休館日などもHPに掲載されています。必ずチェックしてください。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。





