2025年どうなる私たちの“生活の価格”…東海地方の経済界トップを直撃 物価高騰や自動車産業等の見通しは
2025年1月9日、名古屋市中区の名古屋観光ホテルで「経済4団体新春賀詞交歓会」が開かれました。賀詞交歓会で企業や団体のトップに、2025年の「生活に関連する価格」について、どのように想定しているのか聞きました。
まずは名古屋が誇るパンメーカー、敷島製パンの盛田淳夫社長に、2025年の見通しや“パンの価格”について聞きました。 Q.2025年の見通しは? 敷島製パンの盛田淳夫社長: 「2024年も物流問題とかが大きく影響していまして、物流費であるとか賃金・人件費が上がってきたりとか、エネルギー価格が高騰したりということで、どうしても(商品の)価格に反映せざるを得ない」
パンの価格については…。 盛田社長: 「『円/ドル』にかかってくると思います。これから先、円安が強くなるとすると、原材料価格に大きく影響を及ぼしますので、それがカギなのかなと思います」 Q.主食のパンが値上がりすると消費者にとっても厳しい 盛田社長: 「我々も企業努力として、できるだけ値上がりしないように努めていきますけども、物流費含めて上がっているので、ちょっと私どもの自助努力だけではどうしようもないところもありますので、その辺はご理解いただければなと思います」 暮らしに欠かせない、東邦ガスの増田信之社長にも話を聞きました。
東邦ガスの増田信之社長: 「エネルギーの価格は需給のバランスで決まるんですよね。昨年あたりから今年にかけては、需給バランスは比較的穏やか、安定しているんですよ。安定というのは非常に大事なんですけれども、これから金利も上がってくるということもございますし、人件費も上がってくるということもございますので、全体的には物価は上がっていくかなとみております。ガスのお値段は基本的には燃料費、LNG(液化天然ガス)にリンクするんですよね。今、円安がかなり進んでいますので、ある程度高止まりの状況にございます。そういった意味では、それほどは上がらないかなと思っていますけどね」 会場には、グループで百貨店やレジャー施設などを展開する名古屋鉄道の高崎裕樹社長の姿もありました。
名古屋鉄道の高崎裕樹社長: 「価格は上昇します。色々なサービスに対して、おもてなしの部分というのが十分に価格に反映されていない点があると思います。お客さまにより満足をいただける形で、価格を上げてもご満足いただけるような商品・サービスをお届けしたいなと思っております」 名鉄といえば、名古屋駅前一帯の大規模な再開発が注目されています。2027年度の着工で、およそ400メートルにわたる巨大ビルの建設が計画されているということですが、どんなビルになるのでしょうか。
高崎社長: 「この春、計画について発表させていただきたいと思っておりますので、それまでしばらくお時間をいただいて、お待ちいただきたい。名古屋の玄関口を象徴する、名古屋の都心の街づくりに大きく貢献する、そんな開発にしていきたい」 最後は、名古屋商工会議所の嶋尾正会頭です。私たちのくらしを取り巻く東海地方の経済についての見通しは。
名古屋商工会議所の嶋尾正会頭: 「製造業でいうと、自動車がある程度生産量が増えてくると思っています。自動車にとっては中国市場の動向の影響が大きいということと、トランプさんがどういう政策かによって、非常に流動的な状況になるのではないかなと」 2024年11月の「名目賃金」(=働く人1人あたりの現金給与の総額)は、2023年より3.0%増となりました。しかし物価の変動を反映した「実質賃金」は、4カ月連続のマイナスとなりました。
2025年は、1月から4月までで6121品目もの食品が値上げされます。最も多いのが「加工食品」で2121品目、そして「パン」が1227品目の値上げとなっています。 「酒類・飲料」も1834品目の値上げで、特にビール類は4月に大手4社で価格が引き上げられます。