藤井聡太七冠のシンガポール対局 日本のファンも駆けつける シンガポールの将棋普及指導員も「感動」

藤井聡太七冠に伊藤匠叡王が挑戦する今期の王座戦五番勝負。第1局の舞台シンガポールには、あの将棋ファンも駆けつけています。
タクシーで対局会場のホテルに向かう取材クルー。その目の前に現れたのが…。
「藤井さんたち?カートに乗っている」(記者)
白い和服姿の藤井七冠です。
会場入りの様子も普段とは一風違う海外対局。その幕がついに上がりました。
王座戦五番勝負第1局の会場は、シンガポールのセントーサ島にあるホテル。藤井七冠にとって、おととしベトナムで行われた棋聖戦以来、2度目の海外対局です。
対局は日本時間の午前10時、伊藤叡王の先手で始まりました。
持ち時間はそれぞれ5時間で、勝敗は今夜決まる見通しです。
藤井七冠の“熱烈ファン”も現地入り

一方、藤井七冠を追って、シンガポールにやってきたのは――。
“熱烈ファン”の新井雅恵さん。ファン歴5年。対局があれば、国内はもちろん、海外でも駆けつけます。
Q.指の爪が…。
「今回の対局に合わせて、シンガポールの国旗と駒のアイテムをのっけてみました。シンガポール対局バージョンです」(新井さん)
3日はファン仲間6人で、藤井七冠がおととい訪れた観光名所「マーライオン」へ。
“推し”と一緒の画角での撮影に、テンションが上がります。
「同じポーズを撮れて感無量です。気持ちを転写して応援パワーに変えたい」(新井さん)
続いて訪れたのは、現地の食文化を感じられる「ティオンバル・マーケット」
お目当てはもちろん「藤井七冠が食べた水餃子」です。
そしてここからがファンのお約束。
続々登場する、藤井七冠のアクリルスタンドや扇子などのグッズ。これを並べて写真撮影。勝負めしやおやつなどと一緒に写真を撮るのが流儀です。
“推し”に見守られながら、水餃子をいただきます。
「同じのを食べられて嬉しいです」(ファン仲間 北川恵理子さん)
「思ったより見た目の量が大きい。藤井さんも驚かれていたが、軽い感じなので、わりとぺろりと1個はいけちゃうかなという感じです」(新井さん)

そして、3日夜の「前夜祭」には約100人のファンや関係者が集まりました。
「海外対局は非常に貴重な機会なので、ぜひとも対局者として訪れたいと気合を入れて臨んでいた」(伊藤匠 叡王)
「将棋というゲーム、また日本文化の魅力をシンガポールの方々にも伝えられれば、とてもうれしく思う」(藤井七冠)
会場には、アマチュア三段の腕前で「将棋普及指導員」の資格を持つリムさんの姿も…。
「本当にうれしい。ここに来て将棋を指してくれたらシンガポールでも広がると思う。勝負の精神がある。絶対負けないと厳しい戦いをやり通すと感動した」(リムさん)
もちろん、ファンの新井さんの姿もありました。
「かっこよかったです。近くを通られたのでドキドキしました。このところ他の対局で連敗もしていたが、あらためて気持ちを切り替えて対局に向かう姿勢を熱く感じた」(新井さん)