まだ暑いのに…インフルエンザで早くも学級閉鎖、なぜこの時期に? 今年の流行はいつから?

9月に入っても35℃以上の猛暑日が続いていますが、すでに冬場に猛威をふるうインフルエンザの報告が出ています。愛知と三重では、インフルエンザによる学級閉鎖も。
例年、11月下旬から感染拡大が始まり、翌年の3月ごろまで患者数が増加するインフルエンザ。
ところが、三重県亀山市の中学校では今週に入り、1年生198人のうち43人が欠席。12人がインフルエンザと診断され、11日まで学年閉鎖になっています。
そのほか、三重県内の小学校2校、愛知県内のこども園でも学級閉鎖が発生しています。
愛知県の大村知事も10日の定例会見で注意を呼びかけました。
「昨年度のシーズン初の学級閉鎖も9月7日の土曜日だったので、昨年度とほぼ同時期。換気や手洗い、手指消毒、マスクの効果的な場面での着用など、基本的な感染防止対策に取り組んでいただきたい」(大村知事)
医師「まだ流行にはなっていない」

「東海地方で相次ぐ学級閉鎖。これはインフルエンザ流行の始まりなのでしょうか」(西尾菜々美 アナウンサー)
名古屋市西区の「みわた小児科」の三輪田俊介院長に聞いてみました。
Q.これは流行の始まり?
「今コロナの流行があるので、インフルエンザも一緒に調べることが多いが、まだ名古屋市西区では、患者さんはここ2週間ぐらいは出ていない。まだ愛知県では流行になっていないかと思います」(三輪田院長)
8月25日から31日までの定点調査では、1医療機関あたりの感染者数は、東海3県ともに流行の目安といわれる1人以上にはいかず、低水準です。
しかし、保護者からは心配の声が――。
「上の子は幼稚園に通っているので、ひとごとじゃない。多分幼稚園ではやればこの子もかかるだろうし心配」
「きょうだいでかかったりしたら、嫌なので気をつけないと」
今年の流行期はいつ?

暑い時期でもインフルエンザで学級閉鎖が起きてしまうのには、どんな要因があるのでしょうか?
「インフルエンザは冬に拡大するウイルスではあるが、常に一定数はいる。周りにうつしやすいウイルスなので、誰かがかかってしまうと、知らず知らずのうちに、ほかの子どもにうつしてしまうことは十分に考えられる」(三輪田院長)
そこで対策として有効なのがワクチンの接種です。流行期を前に、インフルエンザワクチンの出荷も始まっています。
厚労省によると、今シーズンのワクチン供給量は昨シーズンとほぼ同じ約5300万回分となる見込みだといいます。
では、今年の“流行の時期”はいつごろなのでしょうか。
「今年も昨年と同じで、11月ごろから世の中全体の流行が始まるのではないかなと予測しています。流行が始まる11月後半に合わせるとなると、10月ごろからワクチン接種して問題ないと思います。今(学級閉鎖のような)流行があるからといって急いで打つ必要はないと考えています」(三輪田院長)
三輪田院長によると、インフルエンザワクチンの接種により、発症を4~6割予防することができるということです。
ワクチンには2種類あり、一つは去年から始まった「フルミストワクチン」(対象2~18歳)。注射ではなく鼻に振りかけるタイプで、痛みを伴わず、効果が約1年続くのが特長です。費用は1回8000円程度です。
もう一つが通常の注射タイプで、大人は1回、12歳以下の子どもは2回接種します。1回4000円程度で、効果は3~4カ月続きます。例えば10月に打つと翌年3月ごろに効果が下がってしまうことになります。