自衛隊員2人の死亡発表から一夜明け…墜落現場では祈りを捧げる姿 愛知県犬山市

愛知県犬山市で起きた自衛隊機の墜落事故で隊員2人が亡くなったことが確認された一方、現場では23日も引き続き、機体の回収と事故原因の究明が進められています。
5月14日、愛知県犬山市の入鹿池に自衛隊機が墜落し、乗っていた2人の行方が分からなくなっていた事故で、防衛省は22日夜、宮崎県の新田原基地に所属する井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)の死亡を発表しました。
「5月14日に発生した航空自衛隊T4練習機の墜落につきまして、搭乗員2名の死亡が確認されました。今後は原因究明に万全を期すとともに、こうした貴重な人命が失われる事故が二度と起きないように、 航空機を含めた全ての部隊の安全管理を徹底してまいります」(中谷防衛大臣)
事故から10日目。墜落現場では隊員の死亡を受け、静かに祈る人の姿も。
23日は自衛隊が350人態勢で、入鹿池にボートを出し、機体が墜落したとみられる現場を中心に水中の捜索にあたっています。
これまでに尾翼の一部やエンジンらしき残骸は見つかっていますが、機体の引き揚げは行われていません。
中谷防衛大臣は「機体につきましては捜索活動の進捗、 また、墜落場所の特徴等に応じて引き上げを検討しているところであります。その一環として、サルベージ関連企業に対しまして、 作業に必要な費用の見積もりなどを依頼しております」と話していて、今後は大がかりな作業となる水中からの機体の引き揚げも視野に入れながら回収作業を続け、事故原因の究明を進める方針です。
周辺施設は再開へ

墜落事故現場に隣接する「博物館 明治村」は事故翌日から休業が続いています。
明治村に乗り入れるバスの運転手に話を聞くと、「きょうは1名のみ乗車。(普段は)シートいっぱいぐらいは乗車している」
墜落事故の捜索拠点となっていた明治村は、24日から営業を再開するということです。一方、入鹿池は今も一般に開放されておらず、貸しボートの営業再開の見通しは立っていません。