「“命の尊さ”を渦の中で感じ取れる」国府宮はだか祭の“もみ合い” 祭を支える旅館の思い 愛知・稲沢市
天下の奇祭=愛知県稲沢市の「国府宮(こうのみや)はだか祭」まであと5日です。はだか男たちを迎える地元の皆さんは、準備を整えながら徐々に気持ちが盛り上がってきています。
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国府宮まで徒歩10分のホテル、「和陽館(わようかん)」。社長の酒井さんも長年、「はだか男」として参加しています。
(和陽館 酒井章治社長)
「(もみ合いに)毎年参加しています、38年連続で」
Q参加しつつ、ここではだか男たちに下帯をつけている?
「やっていますよ」
祭り当日は毎年、多くの「はだか男」たちのさらしの着付けや、食事の用意などサポートを指揮してきた酒井さん。
(和陽館 酒井章治社長)
「全部こちらの方で、さらしから足袋まで用意させていただいています」
Qこれがさらし?
「何重にも巻いて、しっかり締めさせていただく大事なさらし。大体300~350人ぐらい(巻く)」
予約の“はだか男” ほとんどがリピーター
ことしの予約は現段階でおよそ300人。ほとんどがリピーターです。
(和陽館 酒井章治社長)
「はだか男の渦の中に入ると、『もう自分は何もできない』という世界を知る。自分の恐怖感と、何とか神男にたどり着きたいという葛藤が渦の中で苦しみながら味わう。“命の尊さ”を渦の中で感じ取れる。それを感じた人は『また来年も』っていう方がお見えになる」
「もみ合い」が終わりホテルに戻ってきた「はだか男」たちが向かうのがお風呂。
冷えきった体をゆっくり温めながら、祭の余韻を味わうことになります。
和陽館ではサラシの着付けや弁当などがセットになった1万5000円のプランが1番人気。海外など地元以外からも来る「はだか男」たちを受け入れてサポートするのは和陽館だけと言います。
(和陽館 酒井章治社長)
「僕にとっては人生の一部ですね。38年ほどやらしてもらって、何か人のためになるきっかけになったんですね。ここに来ていただいたみなさんが、はだか祭で楽しんで、1年を過ごしてもらえるということが、僕にとっては1番大事」