「ららぽーと安城」オープンで渋滞を心配する声 クーポン配布や道路拡張などの対策に専門家の評価は

あす愛知県安城市にオープンするショッピングモール「ららぽーと安城」でプレオープンが行われました。
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大型商業施設がオープンする際に気になるのが渋滞の問題。きょうのプレオープンでは、来場者を安城市民・ポイントカード会員に限定していましたが、大きな混雑は特に見られませんでした。
(安城市民)
「楽しみだが道が混みそう」
「あす以降、混むんじゃないか」
やはり、市民にとっては渋滞が心配なようです。
しかし、おとといのプレオープンの日には…。
(安城市民)
「行きました。すごく混んでいた。500円券がもらえると聞いて行ったが。あまりの行列にあきらめて、並ばなかった」
「全然、進まないような渋滞(になっていた)」
実は、おとといは1000円以上の買物や食事に使える“お買物券”500円分が配られていたことで、混雑したとみられます。
「ららぽーと安城」の渋滞対策
いよいよ、あす全面開業する「ららぽーと安城」。さらに多くの人が訪れることが予想されますが、渋滞対策は一体どうなっているのでしょうか。
約1キロ離れた場所には500台ほどが駐められる無料の臨時駐車場が設置され、無料シャトルバスも運行。この臨時駐車場や対象となる有料の市営駐車場に車を止めると、5000円(税込)以上の会計時に使用できる1000円分の買い物・食事券がプレゼントされる仕組み。(5月6日まで)
さらに電車やバス(交通系ICカードを利用した場合)、自転車(自転車NAVITIMEアプリを使用した場合)で来店した場合には3000円(税込)以上の会計時に使用できる1000円分の買い物・食事券を受け取れます。(5月6日まで)
(安城市民)
「友達から聞きました。早速、使おうと思っている」
「いい取り組みだと思う。安城市が活気づくというか、人がいっぱい来てくれたらいい」
ショッピングモール周辺が渋滞する原因は
また、多くの利用が見込まれる立体駐車場にはカメラが設置されていて、車の流れをAIが感知し、帰る際に混雑しないよう最適な出口へ誘導しているのです。
さらに周囲の道路には安城市が“ある対策”を。これまでは片側1車線でしたが、渋滞緩和のために道路の幅をひろげ、ららぽーと安城の方向への右折レーンを設けました。これも混雑緩和のためです。
車の渋滞について研究している専門家に、ショッピングモール周辺の渋滞について聞くと。
(渋滞学専門 東京大学先端科学技術研究センター 西成活裕 教授)
「開店当初とか大きなイベントがあるときに、全国的に渋滞混雑が発生している」
その原因として指摘したのが、駐車場に入ろうとする車による渋滞。
(西成活裕 教授)
「平面駐車場の(店舗の)入り口に近い所から埋まっていく。皆さん、そこを狙うので他が空いていても平面駐車場に集中してしまう。悪循環になってしまう」
利用者への情報提供やクーポン配布も有効
不便な立体駐車場を避け、空きスペースを探す車が平面駐車場に滞留することで、新たな車が駐車場に入れず周辺が渋滞するといいます。どこからでも店に入りやすい駐車場の設計が重要とする一方、利用者自身に車の利用を分散させるための情報提供も大事だといいます。
(西成活裕 教授)
「駐車場の満空情報を外から見られるようにしたり、出る人に、どちらの出口がスムーズかを館内で知らせる。そういった情報を提供していくだけで分散が図れる。行動変容を促すという意味で、そういったことを外に発信していくことが重要」
また今回、臨時駐車場を利用した際などに配られるクーポンも渋滞対策のための有効な手段だといいます。
(西成活裕 教授)
「(金額が)いくらのときに人は行動変容するのか(ショッピングモール側も)かなり研究している。電車代や他のことを考えても高い金額設定。 効果検証は、これからだと思うが、手探りで状況に合わせて変えていく」