中日・高橋投手「井上監督の初勝利は3月28日」リーグ優勝へ導く“竜”のエース　仲間の前では本音吐露

03.27(木)14:57

プロ野球がいよいよ3月28日に開幕します。中日ドラゴンズは横浜DeNAベイスターズと対戦します。スタートダッシュを目指すドラゴンズ。開幕戦に抜擢された高橋宏斗投手の覚悟に迫りました。

開幕投手の座をつかんだ高橋投手

井上一樹監督が2025年の開幕投手に抜てきしたのが、プロ5年目の高橋宏斗投手。2024年の開幕は2軍スタートの、チームトップの12勝を挙げ、最優秀防御率のタイトルを獲得。期待のエースが自らの手で、開幕投手の座をつかみました。

中日ドラゴンズ高橋宏斗投手：
「毎年狙っていたポジションではあったので、そこにまずは立たせてもらえることは、すごくうれしいです。チームの勝利に向かって、自分がまずは1勝を挙げたいなと思います」

2月1日の春季キャンプ初日、7時前に宿泊先のホテルを出発した高橋投手。キャンプでは毎朝、早出練習を行いました。実はこのときから、強い覚悟を持っていました。

高橋投手：
「過去5年の中では、一番良いキャンプイン。体の状態も、投げている球も良いので、自信を持って開幕に合わせるっていう準備をしてもいいのかなと思います」

悔しい経験を胸に、心機一転

高橋投手が口にした開幕への思い。そこには2024年の悔しい経験がありました。

高橋投手：
「去年の今頃は本当に2軍のほうで、なんか色んなことやっていましたし、上で必要とされていないのかなって思う時期もありました。今は自分がチームを引っ張っていかないといけないとか、開幕戦を必ず井上監督の初陣で勝利に貢献するんだっていう気持ちがあります。去年と今年は違いますし、しっかりと戦う気持ちにはなっていますね」

しかし3月11日のオリックス戦。開幕投手発表後の初登板で注目が集まる中、立ち上がりから苦しみます。味方のミスもあり失点を許すと、その後も自らのけん制悪送球などもあり、この試合は6回を投げ4失点。満足のいくピッチングとはなりませんでした。

高橋投手：
「あのときは自分の中でも納得のいくボールがあったり、さまざまな課題が出たりっていうところで、反省点もありました。抑えて当たり前とか、抑えられるんだろうなっていうイメージがいろんな人の中についていたところで、ああいう失点をする形だったので、僕の中でもギャップを感じました」

同級生との食事会では仲間に本音を吐露

約1週間後、気心の知れた同級生と食事をする高橋投手の姿がありました。そこでの話題はもちろん開幕投手について。

松木平優太投手：
「自覚ある？開幕投手になって」

高橋投手：
「ないなあ」

松木平投手：
「ないんや、もういつも通り？」

高橋投手：
「あんま変わったことはしてないかな」

元チームメート加藤翼さん：
「この間こいつの試合を見に行ったんだよ。駅まで走っていって、見に行ったらなんか、けん制でとんでもないボール投げるからさ（笑）びっくりした」

高橋投手：
「お前来たからあかんかったわ（笑）」

「メディアが良くない」プレッシャー感じたオリックス戦

同級生から4失点をしたオリックス戦について触れられると「プレッシャーを感じていた」と話します。

高橋投手：
「あれはメディアがほんと良くないんだよね。試合前とか『開幕投手が告げられてから、初めての登板ですが、どういう意気込みですか？』みたいな（ことを聞かれて）」

加藤さん：
「でも、球は別に良かったじゃん」

高橋投手：
「まあまあまあ。周りがめっちゃ持ち上げてくれるけど、自分は冷静でいないといけない」

松木平投手：
「そこが弱かったってこと？」

高橋投手：
「そう！　それで、やばい抑えて当たり前って状態になっているから」

加藤さん：：
「そこ、山本由伸さんは普通に抑えるもんな。そういうのあったんやな」

松木平投手：
「普段こんなんやけど、やっぱ思うところはあるやろ、人間やし」

これこそが開幕投手の重圧。それでも高橋投手は前を向きます。

高橋投手：
「僕が今感じているプレッシャーを、今までの人は感じていたんだなと思うとやっぱりすごいなと思います。これも開幕投手にしが味わえない緊張感や、プレッシャーだと思うので、逆に僕はそれを楽しみたいなと思います」

オープン戦最後の登板となった3月21日の楽天戦では、「納得いく形でマウンドを降りられた」と4回2失点で終えました。

そんな高橋投手について、野球解説者の森繁和さんは「勝ち星もイニング数もみんな増えるはず」と応援します。

森繁和さん「勝ち星もイニング数も増えるはず」

野球解説者森繁和さん：
「彼の場合、誰が見てもあのスピードボール、キレのあるボール。それにコントロールがいいというのは本当に手が付けられないような、アウトコースインコース高め低めもちゃんと投げるじゃないですか。今年普通にいけば、勝ち星もイニング数もみんな増えるはずですよ。自分が完投するつもりでやってくれれば。本当の真のエース、それが彼が日本の日の丸を背負ったときのエースでしょう。そうなってほしいです」

すべてはチームを優勝に導くために。みんなの期待を背負い”竜のエース”が覚悟をもって挑みます。

高橋投手：
「まずはしっかり1年間怪我なく投げること。チームがリーグ優勝、日本一になれるように僕が一番貢献したピッチャーと言われるように、頑張りたいなと思います。まずは自分が、この2025年のドラゴンズに流れを持って行きたいですし、僕は監督を任せられる準備ができているので、井上監督の初勝利は3月28日になると思います」

※高橋投手の「高」は「はしごだか」