
十数年ぶり大豊漁…「サンマの消費が増えると増える」ダイコン農家の膨らむ期待 寒暖差や雨量で今年の出来は


7年9カ月続いた黒潮大蛇行が終息し、今秋はサンマが豊漁です。名古屋では半値に下がり、食卓復活の兆しです。一方でカツオや秋サケは不漁で、イクラの価格高騰も懸念されます。旬を迎えた岐阜の「ひるがの高原だいこん」も取材し、秋の味覚の動向を追いました。
■例年の5〜6倍…サンマ十数年ぶりの大豊漁
名古屋・大須のスーパー「サノヤ」では、昨年(2024年)の新物は1匹500円ほどでしたが、今年(2025年)は約250円と半値となっています。

9月12日午前4時、名古屋市中央卸売市場でサンマのセリが始まり、北海道や青森、宮城から届いたサンマ8トンが威勢のいい声とともに次々と競り落とされました。

中部水産の担当者: 「十数年ぶりに大豊漁で、サイズも良く脂がのった美味しいサンマを提供できる。喜ばしい年だと思っています」 例年の5~6倍というサンマの水揚げに市場は活気づいていますが、産地では予想外の事態も起きています。

中部水産の担当者: 「ここまでの大豊漁は現地でも予想できていなかったようで、箱や氷が追いつかない。うれしい悲鳴が出ています」

資材不足から、漁の回数をやむなく減らしている地域もあるといいます。今年はサンマだけでなく、青森県産のスルメイカも去年を上回る状況ですが、秋サケや三陸の戻りガツオは不漁だといいます。

中部水産の担当者: 「秋サケの不漁によって、年末商材のイクラに影響が出るのではと危惧しています」
■寒暖差が育むみずみずしさ…サンマ豊漁で注目集まるダイコン
サンマの付け合わせとして欠かせないのがダイコンです。

東海地方有数の産地・岐阜県郡上市では「ひるがの高原だいこん」が最盛期を迎え、連日収穫や出荷に追われています。 ダイコン農家の男性: 「サンマの消費が増えるとダイコンの消費も増えるので農家として嬉しい」 この辺りは、昼夜の寒暖差が約20℃あることから夜露が土にたまり、それをたっぷり吸ったダイコンは大きくみずみずしいと評判です。今年の出来はどうでしょうか。

ダイコン農家の男性: 「高温と雨が降らなかったためダイコンの皮が硬くなっている。その中で一気に大雨が降ると、中の水分がバッと増えて硬くなっている外の皮が縦割れしてしまう」 2割ほどのダイコンが縦割れし、出荷を見合わせたといいます。それでも…。

ダイコン農家の男性: 「味は逆に寒暖差が激しくなって抜群においしい」 秋の食卓に並ぶ機会も多いダイコンですが、購入の際のポイントは…。 ダイコン農家の男性: 「このひげ根の跡が一列になっているダイコンは土が柔らかいところで育ったダイコンなのでおいしい」

おいしい食べ方は、おろしたりサラダにしたり、生がおすすめといいます。

例年収穫は10月までですが、今年は11月から12月上旬まで、1カ月ほど長く楽しめるそうです。 2025年9月12日放送