
サンマとイワシが異例の豊漁 その一方で松茸はまさかの事態!? 秋の味覚に明暗

食欲の秋がやってきました。サンマにイワシ、この季節ならではの海の味が今年は豊漁だといいます。サンマが売りの飲食店ではお客さんもお店の方も大満足です。
サンマを出す飲食店:
『今年のサンマは最高ですね。もう10年ぶり、15年ぶりぐらいにいいサンマで大型で刺し身にしても焼いても何してもおいしい』

大ぶりのサンマが次々と水揚げされていたのは、北海道。
2025年8月に全国で水揚げされたサンマはおよそ4987トンで、去年の同じ時期と比べて2倍近い量にのぼっています。

秋の味覚の豊漁は、この地方でも。
ケースからあふれるほど水揚げされているのは「イワシ」。
三河湾では、この時期だけ獲れるまさに今が旬の味覚です。
イワシの加工業者:
「(イワシは)今年は豊漁ですね。こんなにあがったのは、記憶にないぐらい、何年かぶりの大豊漁ですね」
漁師:「今年は楽しい。(豊漁で)沖に行くのが楽しい。去年はちょっと酷かったね」

2024年の9月、414トンの水揚げだった愛知県のイワシ。
ところが、9月の水揚げ量は、すでに3000トンにのぼっていて、その差はなんと7倍以上。
更に、過去10年の平均値よりも獲れているということでまさに2025年は、大豊漁!
その理由は・・・

愛知県水産試験場イワシ担当 下村友季さん:
「春頃から"黒潮の流路が変わりつつあった"ということでその影響でマイワシのシラス(稚魚)が愛知県の近くまで来遊しやすかったというような可能性はあります」
気象庁は8月、過去最長8年近く続いた「黒潮大蛇行」が終息したことを発表。
この影響で、イワシの水揚げ量が回復した可能性が考えられるといいます。

豊漁の恩恵は地元の飲食店にも。
店主:
「いいのが入りました?」
業者:
「きょう獲れたやつ」
店主:
「ハハハ。いいですね」
獲れたばかりの、新鮮なイワシを刺し身にしていきます。
地場鮮魚小枡園 磯部泰賀さん:
「(イワシの)お刺し身は人気でお客さんも喜んでくれる。量が多いと、相場が安定するので、買いやすいというのがあって毎年こうだったらいいなと思っています」

2024年、1キロ230円だったイワシの卸価格は2025年は150円に。
お土産品として人気の「いわしの土佐煮」も2025 年はたっぷり作れるそうです
地場鮮魚小枡園 磯部泰賀さん:
「1年中買っていただけるお土産ものも十分にストックできるので、やはり量が多い方がいい」
山の味覚、マツタケと栗の専門店では異変が
常連客:
「楽しみにしていた栗を買いに来ました。栗ご飯にします。すごくおいしそう。」
毎年秋だけ営業するコチラのお店は、25日が開店初日。
しかし、2025年はある異変が。

栗を保管している冷蔵庫を見せてもらうと…
マルキク松茸店 加藤博信さん:
「今の時期だと半分は埋まってないとダメなんですけど、こんな感じでがら~んとしてます」
例年、段ボールで埋まるという冷蔵庫ですが、ほとんど何も置かれていません。
さらに…

マツタケを並べる棚にいたっては…すっからかん。
開店初日にも関わらず、 入荷が間に合っていなかったのです。
原因は、全国的に長引いた暑さ。マツタケや栗の生育が遅れているといいます。
マルキク松茸店 加藤博信さん:
「最盛期にはずらーっと並ぶんですけど、今年はまだ全然、1回も並んでないです。さみしいですね」
開店初日に「商品がない」という、異例の状況。

なんとか解決の糸口をさぐろうと始めたのが、『マツタケ買い取ります!』
これまで付き合いのなかった生産者からも商品を集めようと、試行錯誤。
マルキク松茸店 加藤博信さん:
「いちるの望みをかけて1本でも国産のマツタケを仕入れたいから」

そこに届いたのが…
今年初めてのマツタケ。頼んでいた取引先からようやく届いたのです。
マルキク松茸店 加藤博信さん:
「うん、いいにおい」

品質は上々だと言いますが、 入荷したのは、この15 本だけ。
雨が増えて気温が下がれば、 一気に生育が進むこともあるとのことで、山の味覚は「今後に期待」です。