夫の遺影は“はだか男姿” 専用のお風呂も造るほど…“はだか祭仕様”の住宅 お邪魔すると並々ならぬこだわりが 愛知・稲沢市
2月10日に迫る愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」。
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(大石邦彦アンカーマン)
「ここはもみ合いが行われる参道。サイドには塀もできていてもう準備万端ですね。このあたりは普通に住宅が広がっているんですよ。この住宅はベランダが参道を向いてます。実はここ、はだか祭仕様の住宅らしいんです」
国府宮の参道沿いの住宅に暮らす、大津伊津子さん(89)。
(大津さん)
Qここに住んで何年?「60何年になる」
名古屋から嫁いで60年以上。これまでずっと「祭」を見届けて来ました。
大石アンカーマンが初めて大津さんにお会いしたのは2019年2月。2階のベランダから祭を見せてもらいました。
(大石アンカーマン・2019年)
「神男は我々のちょうど目の前。距離にすると10mくらい先にいます」
(大津さん)
Q毎年ここで見ていて、ご自身にとってどんなお祭りですか?
「私にとっては大変苦痛な祭り。自費で(家の周りを)全部囲う」
自宅の塀に人が上ってけがをしないよう、祭り前には毎年10万円ほどかけて囲いを作るということでした。あれから6年。大津さん宅の更なるこだわりを今回改めて知ることとなりました。
“はだか男”のためだけのお風呂
(大津さん)
Qこれは何ですか?
「はだか祭の時に自分たちが飲みたいから(はだか男たちが)持ってくる」
知り合いの「はだか男」たちからすでに届いたというお酒。ことしも祭り当日は、大津さん宅に集まって晒しを巻いて準備を整えるお礼の意味が…
Q毎年何人くらい来る?
「40人くらいいるのでは」
では、あらためて6年前にもお邪魔した2階のベランダに行くと…目の前はやはり参道。
(大津さん)
Qベランダをこの向きにしたのは、はだか祭のため?
「もちろんそれもあると思う」
大津さん宅が祭仕様にたてかえられたのは約7年前。家族用の風呂とは別に、はだか男たちが勝手口から直行できる風呂も作りました。
夫の遺影は“はだか男姿”
(大津さん)
Q砂とかついてたりする?
「ここてんこ盛り」
Q砂が?
「砂じゃなく、下帯とか…ちゃんと持って帰りなさいとあれだけ言ったのに、みんな置いていく(笑)」
住宅の細部には亡き夫・光雄さんの思いがあると言います。
(大津さん)
Qご主人もはだか男だった?
「(主人も)やっていた。それを見ているから息子も大好きだった」
夫・光雄さんは90歳で亡くなるまで「はだか男」として祭に参加。家族が選んだ遺影の写真からも、並々ならぬ情熱を傾けていたことが伝わってきます。
(大津さん)
Qこの家がずっと国府宮とともに、はだか祭とともにある。その原点はお父さんだったんですね?
「そうですね、言われてみるとね」
本番は2月10日。お父さんも一緒に見守ります。