
元横綱の白鵬さんが日本相撲協会を退職 “白鵬杯”経て全国で活躍する高校生「あれだけ優勝していて目標になる人」


2025年6月9日、元横綱の白鵬さんが日本相撲協会を退職しました。現役時代に立ち上げた少年相撲大会「白鵬杯」では、多くの子供たちに夢と希望を与え、今も受け継がれています。
■白鵬さん「外の立場から、相撲の発展に力を注いでいく」
大相撲・名古屋場所で過去8回優勝した元横綱の「白鵬」さん。2025年6月9日、日本相撲協会を退職しました。

元横綱の白鵬さん: 「相撲に愛され、相撲を愛した25年でありました」 白鵬さんは現役引退後、宮城野部屋の師匠を務めていましたが、弟子の暴行問題で懲戒処分を受けたあと、部屋が閉鎖されていました。 白鵬さん: 「今の自分が置かれている状況を考えますと、協会の中ではなく外の立場から、相撲の発展に力を注いでいくことがいいと判断して、最終的には自分自身で『退職』という決断をいたしました」
■8月のインターハイに出場へ…白鵬杯で優勝した少年の今
白鵬さんは、現役の時から「白鵬杯」と名づけた少年相撲大会を開き、相撲の普及活動を続けてきました。

2015年、小学1年生の時に白鵬杯で優勝した田島千照さん(17)は今、岐阜農林高校に通う2年生です。 岐阜農林高校の田島千照さん: 「表彰式で握手したり、『頑張ったね』とか言ってもらいました。『サインください』と言ったら書いてくれて、写真も撮りました。初めて知った力士が白鵬さんだったので、初めて会えた時は本当にうれしかったです」

田島さんは今も変わらず相撲に打ち込み続けていて、2025年3月に行われた全国大会では個人100キロ級で3位になりました。また、2025年5月の県予選では個人100キロ級で優勝し、8月に開催されるインターハイの出場が決まっています。

田島さん: 「初めて白鵬杯で優勝して、その時がうれしくて、また優勝したいと思って稽古に取り組むようになったと思います。あれだけ優勝もしていて、目標となる人だと思います」 9日の会見で白鵬さんは「相撲を世界に広げるプロジェクトをしていきたい」と話しました。 白鵬さん: 「相撲を世界に広げるプロジェクトを中心に活動していきたいと考えております。白鵬杯をベースとして、日本のみならず世界中のより多くの人たちに相撲の魅力を広げる『世界相撲グランドスラム』構想のもと、相撲を広めてまいります」
■大相撲のぼりの職人「思い出から遠くへ行ってしまわないで」
岐阜市の老舗「吉田旗店」では、手染めの職人技で大相撲のぼりを作っています。6月9日、「大の里」ののぼりを染めていました。

吉田旗店の吉田稔会長: 「『大の里』を染める時は、ひらがなが入るんです。ひらがなが入ると、間の取り方が難しいです」 今回退職する白鵬さんへの想いについては…。 吉田会長: 「温厚な方で言葉遣いも優しい、本当に日本人的といいますか。日本のため相撲界のために、相撲に関する仕事をしていただいて、私たちの思い出から遠くへ行ってしまわないでいてほしい」