秋は女王蜂育成シーズン! 凶暴化したスズメバチ集団 “巣の駆除だけでは終わらない” 挟み撃ちで攻めるハンターに密着

毎年この時期になると攻撃性が増し、しばしば人間を恐怖させる生物「スズメバチ」。
【写真を見る】秋は女王蜂育成シーズン! 凶暴化したスズメバチ集団 “巣の駆除だけでは終わらない” 挟み撃ちで攻めるハンターに密着
日本に生息するハチの中で、最も攻撃性が高く強い毒性をもつため、去年は18人の死者が…。
「今の時期が、ちょうど女王蜂を育てるシーズンになってくるので、より活発化して気性が荒くなっています。数もどんどん増えていますので、遭遇する確率も上がる」
そう語るのは、様々な生活支援を行う会社ベンリーの大川眞也さん。これまで5000個以上の巣を駆除してきたという、スズメバチ駆除のエキスパートです。
サザンカの木の中にあったのは「コガタスズメバチの巣」
この日、大川さんが向かったのは岐阜県との県境にある、愛知県稲沢市祖父江町。
(ベンリー 大川眞也さん)
「今日はよろしくお願いします」
(依頼者)
「向こうですね」
指し示す先にあったのは、依頼者の自宅の家庭菜園。その隣に…
(依頼者)
「このサザンカの中です」
果たして、どんな巣があるというのでしょう。
(大川さん)
「ありますね!お~出た!もうちょっと離れましょう。危険です、これ」
木の奥にあったのは、直径30センチほどのコガタスズメバチの巣。国内に幅広く分布し、スズメバチの中では比較的おとなしいハチだといいますが、静かにカメラを近づけると…
物音に反応し警戒を強めたコガタスズメバチ。カメラを敵と認識し、集団で襲い掛かってきます。体当たりをして、針で攻撃しようとする個体も。
(大川さん)
「黒いものに来るので。私の服とか、まずい状況ですね。髪の毛とかも」
スズメバチは黒いものを1番に狙う習性があり、カメラを執拗なまでに狙ってきました。
駆除を始めようとしたら「出入り口が2つ」
(依頼者)
「草を刈ってるときに飛び出したので、それで早速電話した。アシナガバチに刺されたことがあって、医者から刺されたらダメと言われている」
次にハチに刺された場合、死に至る可能性もあると医師に警告を受けたと話す依頼者。そこで大川さん…「ハチ専用の強力な薬剤」。大川さん御用達の業務用殺虫剤。特別強力だといいます。
(大川さん)
「これでスズメバチを全滅させます」
全てを駆除することがミッション。すると大川さん、防護服に身を包み徐々に緊張感が漂います。
攻撃性の強いこの時期のスズメバチを前に、少しの油断も許されません。自分の命にもかかわってきます。そして、いよいよです。まずは、間近で巣を観察すると…
(大川さん)
「2人でいく?」
Q.どうしたんですか?
「(巣の)穴が右側にあいているんだけど、左側にも穴があいている。そこからも出てきちゃう」
実はこのスズメバチの巣。出入り口が2つあったのです。「たいていは1つです」と教えてくれた大川さん。木との接合部にもう1つ!たしかにありました。1人で薬剤を噴射するのではだめ。そこで…
2人で挟み撃ち!巣の駆除以外にも…戻り蜂?
(大川さん)
「両側から2人で薬剤をかけて殺す」
スズメバチを挟み撃ちにします。記録撮影で来ていたスタッフの伊藤さんも急遽駆除に参戦。そして、いよいよ…
左から伊藤さん、右から大川さんとノンストップで必殺スプレーを噴射!直接あびたスズメバチも、たまらず急降下。わずか数分で、ミッションの大半が完了。
(大川さん)
「巣の中のスズメバチは殺したので、戻り蜂が来るので、戻り蜂だけやっつければ」
Q.戻り蜂?
「戻ってくる蜂ですね」
戻り蜂は、駆除作業時に逃げたり、エサ探しなどで巣の外に出ていた個体が戻ってくること。
そして、15分ほどで戻り蜂もすべて撃退し、木から巣をとりはずし作業は終了しました。
巣を見つけても、慌てず静かに逃げて
今回見つかった巣は、この時期のものにしては少し小さめ。それでも、凶暴な集団だったと大川さんは振り返りました。
(大川さん)
「もし巣を見つけてしまったら、振り払ったりダッシュで逃げたりすると、動きに反応しちゃう。そこを考えながら逃げる」
CBCテレビ「チャント!」2025年10月2日放送より