経済アナリスト・森永康平さんが語る「理想の資産配分」と投資の心構え

名古屋証券取引所とテレビ愛知が共同で運営するYouTubeチャンネル「あしたのマネー」に、経済アナリストで株式会社マネネCEOの森永康平さんが出演しました。新NISA時代における「理想のポートフォリオ」や、投資で後悔しないための心構えについて、森永さんの実体験やプロの哲学を交えて分かりやすく解説しました。

年代で変えるべき「理想の資産配分」と「金(ゴールド)」の役割

経済アナリスト 森永康平さん

森永さんは、多くの人にとって理想のポートフォリオは「極力、何も考えないでいいもの」であるとした上で、年齢によってその配分を変えることを提案しました。

20代や30代の若い世代であれば、現金を2割ほど残し、全体の6割を「オルカン(全世界株式)」に、残りの2割を「金(ゴールド)」に投資する形が良いのではないかと話しました。
一方で、50代や60代になり退職(リタイア)が見えてきた世代については、株の割合を少し減らし、格付けの高い国債や社債などの「債券」を入れて資産を安定させるべきだと解説しました。ここ10年ほど株が強かったため「債券は必要ない」という意見もよく出ますが、森永さんは「それは株が強かった場合の話。過去50年間には株が弱い年もいくらでもあった」と話し、毎年の価格変動を抑えるためには債券が重要であると説明しました。

また、松本さんから「金(ゴールド)」について質問されると、森永さんは「金には配当(利息のようなもの)がないというデメリットはあるが、会社のように『倒産のリスク』がないことや、特定の国に属していないため『カントリーリスク』がないという大きなメリットがある」と話し、長期的には一部持っておく価値があると解説しました。

銘柄選びの法則「知らないものには絶対に手を出さない」

森永康平さんの銘柄選びの法則は

投資する対象を選ぶ基準について、森永さんには「自分が知らないものには絶対に手を出さない」という強いポリシーがあるそうです。
例えば、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)について、仕組みを勉強して番組で解説することはできても、実際の実務経験がないため、一度も投資したことがないと話しました。

森永さんは、SNSで流行っているからという理由や、人からおすすめされたからという理由だけで、自分が説明できない会社の株を買うのは「怖くてできない」と言います。人から言われるがままに買って、たまたま価格が上がっても「再現性」がありません。自分で理由(ロジック)を作って投資し、もし失敗しても「なぜ間違えたのか」を検証できることが大切であると強調しました。

投資のバイブル『敗者のゲーム』に学ぶ心構え

森永康平さんの投資のバイブルは

森永さんが、自身の投資や人生に大きな影響を与えた本として紹介したのは、チャールズ・エリス著の『敗者のゲーム』です。
森永さんはこれを自身の好きな「格闘技」に例えて説明しました。格闘技では、相手を倒しにいこうとして大振りの勝負(勝者のゲーム)をすると、自分の守りが甘くなり、カウンターを受けて自分が倒されるリスクが高まります。一方で「敗者のゲーム」とは、とにかく自分からミスを犯さないように心がける、客から見ればつまらない試合のことです。

これを投資に置き換えると、一攫千金を狙いレバレッジをかけてFXなどで大勝負をするのではなく、淡々と積み立て投資を続けることになります。 相場の世界には、ほぼ確実に勝てる「稲妻が輝く瞬間」がたまに訪れます。中東で戦争が起きた際に原油の価格が上がるのは誰にでも分かりますが、そのチャンスが来る前に大きなリスクをとって大損(市場から退場)していては、その波に乗ることができません。そのため、地味でもミスを減らして市場に残り続けることが最も大切であると話しました。

父・森永卓郎さんとのエピソード

森永卓郎さんの著書<非婚>のすすめ

番組の後半では、森永康平さんの著書『つみたて投資の教科書』のほか、父親である経済アナリスト・森永卓郎さんの著書『〈非婚〉のすすめ』についても触れられました。
約30年前に執筆されたこの本の中には、人生における3大不良債権として「マイホーム」「妻」「子供」という言葉が書かれています。康平さんは、卓郎さんが亡くなる1ヶ月ほど前の病床で、「自宅でお母さんに介護をしてもらい、息子に仕事の穴埋めをしてもらっておいて、不良債権とは何事だ。謝れ」と伝えたエピソードを明かしました。その時、卓郎さんは素直に「ごめんなさい」と謝っていたそうです。

森永さんは「一人暮らしの方が自由だし身軽だとは思うが、子供がいたから体験できたこともいっぱいある。どちらが良いかは一長一短だ」と振り返りました。そして、自分から大振りの勝負を仕掛けず、何事もミスをなくして一定のスタンスで長く生き残り続けるという「敗者のゲーム」の哲学が、自身の仕事術や夫婦関係を長く続ける秘訣(余計なことは喋らない)にも活きていると語り、番組を締めくくりました。

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