「ブルペン陣は安心して見てられる」現役引退した元ドラ・祖父江大輔さんが2025年シーズンを総括

2025年シーズンは4位に終わったドラゴンズ。現役を引退したばかりの祖父江大輔さんと元監督の森繁和さんに、シーズンを振り返ってもらうとともに、2026年シーズンの戦い方を伺いました。
4年ぶりの最下位脱出 リリーフ陣の活躍が原動力に

祖父江大輔さん:「本当に若いピッチャーが松山(晋也)投手を筆頭に、みんな良い成績を残していたので、ブルペン陣は僕から見ても安心して見ていられるピッチャーが多かったですよね」
4年ぶりに最下位を脱出し、4位で今シーズンを終えたドラゴンズ。終盤までAクラス争いを繰り広げました。その原動力となったのが「リリーフ陣の活躍」だと祖父江さんは言います。

前半戦、主に勝ちパターンを担っていた齋藤綱記投手、清水達也投手、松山投手の交流戦前までの防御率は、いずれも0点、1点台と安定。試合を支えていたリリーフ陣でしたが、森さんは「期待していた金丸(夢斗)や高橋(宏斗)が2桁は勝って、ベテラン(投手)を後ろから押し上げられると良かった」と話します。
森繁和さん:
「そうすると先に負担がくるのはリリーフ陣ですよ。清水にしても、藤嶋(健人)にしても一生懸命多く投げていた投手が脱落していくところがあるんでね」

期待した先発ピッチャーの勝ち星が伸びなかったことが、最後にリリーフ陣への負担につながってしまったと説明する森さん。ブルペンから見ていた祖父江さんは、「前半にメンバーを固定しすぎていた」と話します。

祖父江さん:「前半固定しすぎて結構使ってしまったっていうのがあると思うので、いろいろなピッチャーを使えるのがいいんじゃないかなと思いますね」
森さん:「監督・ピッチングコーチ、もう一度5人・6人をしっかりさせなきゃいけないだろうというところもありますけどね。その辺をうまくやっていかないと。来シーズンはちょっと、“外野”が変わるし」
来シーズンはドームに「ホームランウイング」を設置

森さんが話す“外野が変わる”とは、来シーズンから新たに本拠地・バンテリンドームナゴヤに設置される「ホームランウイング」のこと。ホームベースからフェンスまでの距離が最大で約6メートル短くなり、またフェンスの高さも1.2メートル低くなるため、これまでよりもホームランが出やすくなるのではないかといわれています。
2015年にホームランテラスを設置したソフトバンクの本拠地・ペイペイドームでは、設置する前の年に比べ、74本ホームランが増加したという結果が出ています。

祖父江さん:「僕は狭くても広くてもそこまで意識していないですけど、助かったなというのは確かにあります。バンテリンドームでフェンスギリギリで……。変わってきますかね?」
森さん:「変わる! これはもう、絶対に変わる!」
ホームランウイング攻略法は「内野ゴロを打たせること」

森さん:「フライで上がってもホームランになる。ということは、打球を詰まらせたり、バットの先に当たったりしてもある程度力がある打者は、スタンドに入る距離になります。ランナーが1人・2人いたときに打たせるボールが必要になってくる。内野ゴロを打たせる、ね」
森さんが話すホームランウイング攻略法は、内野ゴロを打たせることです。

森さん:「祖父江とかこういうピッチャーは、意外とどこの球場に行っても大丈夫なんですよ。落ちるボール、曲がるボール、ツーシーム系のボールね。そういうのがあればいいんだけど、フライを打ち上げても(スタンドに)入ってしまう。
高めにいったものが詰まっても入るっていうことになってしまうと、やっぱり低めに意識できるほうがいいでしょうね」
来シーズンのキーマンは?

ピッチャーを中心とした“守りの野球”をしてきたドラゴンズにとって、大きな転換期を迎えようとする中、お2人が来シーズンのキーマンとしてあげるのはどの選手でしょうか。
森:「キャッチャーがね。石伊(雄太)捕手が数多く出ましたね。これは投手陣としても、1つのポジションとしては大きいでしょうね。このまま来シーズンも同じように(石伊捕手が)中心でいってくれると、センターラインはまとまってくるんじゃないかと思います」

石伊選手は今シーズン、ルーキーながら85試合に出場。盗塁阻止率4割1分3厘はセ・リーグ3位と強肩ぶりを発揮しました。そして、リード面でも成長の跡がみられるといいます。

祖父江さん:「始めのほうはもう、周りが見えていない状態でしたが、途中からいろいろなピッチャーとも会話ができますし、毎日勉強も、ノートを書いたり必死にやっていたんで。投手陣の信頼は厚いですね」

2026年、球団創設90周年の節目を迎えるドラゴンズ。今シーズン得た教訓を土台に、上位への道を切り開けるのでしょうか。
森さん:「もちろん、優勝を目指すって当然ですけど、それを取りこぼしても上位でね。クライマックスでちゃんと出られるように、まずはAクラス入りを確保していくには、若い人の力も必要になってくるチームでしょうけども、楽しみは楽しみですよね」
祖父江さん:「いけると思います!」





