「ことしは異常」 クマの出没相次ぐ岐阜・白川村で“緊急銃猟”訓練 一方で猟友会から制度そのものの効果に疑問の声「指示が出るまで時間がかかる」

全国で相次ぐクマによる被害。岐阜では、夜間にクマが出た想定で訓練が行われました。
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(飛騨猟友会 白川村支部・梨谷達雄支部長)
「異常。猟師を53年やっているが、これだけクマが出た年は初めて」
こう語るのは、岐阜県白川村のベテラン猟師。環境省によると、ことしクマに襲われ亡くなった人は、10月28日時点で全国で10人にのぼり、過去最悪。
昨夜、白川村で行われた訓練では、人の生活圏にツキノワグマが出没し「緊急銃猟」を決めたという想定で、クマを駆除するまでの手順を地元猟友会のメンバーらが確認しました。
緊急銃猟制度は、2025年9月に新たに定められました。クマなどが出没した際、市街地での発砲はこれまで警察の許可がある場合以外禁止でしたが、人命を守るため市町村の判断で発砲を可能とするものです。
昨夜は、岐阜県で初めてになる「夜間の緊急銃猟の訓練」。関係者らがどう連携するか。また、発砲する際の照明はどれくらいの明るさが適当なのかなどを確認しました。
車庫に穴が開いたら?ガラスが割れたら?
クマの生態を徹底的に研究したという警察官がクマになりきって、本番さながらの訓練は続きました。
(高山警察署 生活安全課・高家渡課長)
「実際にこうした現場があったとき、対応ができるように、関係機関と連携して引き続き対応を進めていく必要がある」
ただ、市街地で発砲することも想定され、猟友会のメンバーは…
(猟友会メンバー)
「車庫に穴が開いた、ガラスが割れたってなったらどうする?市町村の責任?」
(村役場担当者)
「村の責任で弁償する」
さらに、制度そのものの効果に対しての疑問も‥
(梨谷支部長)
「村から指示もらって、クマの現場まで行って撃つ。指示が出るまでの時間がかかる。いつまでも(クマが)いるわけない」
白川村では、緊急銃猟の現場運用をまだ始めていません。2026年4月までにマニュアルを整備する方針です。今年度内での運用開始について聞くと…
(白川村役場 産業課・髙島一成課長)
「必要に応じては、少ない経験の中でも実施はしなければならないと思うし、警察と猟友会と連携しながら、本年も、もしかしたら実施もあり得る」





