元中日監督の森繁和氏が語る 3年連続最下位脱出のカギはドラ1“金丸夢斗”と新助っ人“ボスラー”

2月1日から約1カ月に渡る沖縄キャンプを終えたドラゴンズ。中日ドラゴンズの井上一樹監督は「けが人が出なくて良かった。これからのオープン戦がバトルになる」と話します。
ゴールデンルーキーに新外国人も加わった新生・井上ドラゴンズは3年連続最下位からの逆襲となるのか。元監督・森繁和さんが2025年のシーズンをズバッと展望します。
「ベテラン、若手、外国人、そして実況アナウンサーが良ければ勝てる」

――キャンプが終わり、オープン戦も始まりました。ドラゴンズをご覧になって、いかがでしたか。
キャンプ初日から言っていますが、監督が変わって明るいことは間違いありません。いまさら言うことではありませんが、オープン戦が終わって公式戦に入ってもずっと明るければ1番いいと思います。
――ずっと明るくするための条件は何ですか。
ベテランと若手と外国人、そして“実況アナウンサーが良ければ勝てる”と思います(笑)
――森さんからの“愛”だと思って受け取りますね
注目選手は金丸夢斗投手

――今シーズン特に注目をしたい選手は、ドラ1ルーキーの金丸夢斗投手。「物が違う」とのことです。
大学生で日本代表としても投げていました。ボールのスピードといい、コントロールといい、キレといい、素晴らしいと思います。ただ、キャンプでもそうでしたが、少し腰に不安がありますよね。投げ出したら勝てると思います。
――キャンプは2軍の読谷組として調整をしていましたね。
沖縄・読谷村で少し短い距離から2、3度投げた金丸投手を見ましたが、徐々に仕上がっていますね。「開幕に合わせろ」とは言いませんが、少し遅れても我慢して待ってもらいたいです。素晴らしいボールを投げますから。
――“素晴らしいボール”とは、どういったところから繰り出されているのでしょうか。
ワインドアップで投げていますよね。フォームを大きく使い、体も大きく使いながら腕を振っています。それに変化球の腕の振りも、ストレートと変わらない投げ方をします。いいボールを投げますね。

――一方で、ワインドアップモーションは制球が乱れるリスクがあります。森さんの見解はいかがですか。
当然、そのように言われています。しかし、彼はコントロールが良いです。体は普通の人により飛び抜けて大きいわけではありませんが、角度よりもキレやコントロールがとてもいいものを持っています。コントロールに不安を抱く選手ではないので、楽しみですね。
――金丸投手はどのように“制球力”を身につけているのでしょうか。
今までいろいろな練習をしてきていると思います。腕を大きく振って投げていますが、安定していますよね。一定のところでボールを投げられるように努力していると思います。
――リリースポイントがぶれないのですね。
ワインドアップで投げても、腕を振って足をついてから投げるところまですべて一緒。ほとんど全力に近い状態で70球ほど投げ出しています。名古屋に帰ってきてから練習試合、オープン戦も始まるので、開幕に合わせなくてもいいので、少しずつ投げて完璧な状態で来ていただきたいですね。
「主軸を期待」ボスラー選手

――続いての選手は、主軸を期待している外国人選手のボスラー選手。先日はオープン戦で特大ホームランもありました。
すごいホームランを打ちましたね。あれはインコースのストレートでした。いまの時期は外国人選手に関しては、他チームのピッチャーも必ずいろいろなところを攻めてきます。これから徐々に変化球や落ちるボール、インコースがもっと厳しいボールを投げてきます。ここを乗り越えると、レギュラーが決まる可能性があります。
1つのポジションが決まると、次のポジションも他の人たちの争いの中で1つずつ埋め込める。そのためには、外国人を決めるポジション、バッティングで見せないとポジションを取れませんよね。

――ただ、シーズンに入ると「あれ?」と少し停滞することもありませんか。
早めに打ちすぎると少し心配になることがありますが、ここを乗り越えてこそ真の4番。クリーンナップを打つ外国人になることができます。そうすると、大手を振って喜んべると思います。
――森さんなら、何番を打たせたいですか。
打ってくれるのであれば、5番、6番だと思います。中日とすれば、4番は石川昂弥などと思っているのではないでしょうか。細川成也や中田翔も出てくると思います。
みんなを出すためには、まず外国人を1人、確定しないといけないですからね。
ボスラー選手が今シーズンのオープン戦でさらに良い結果を残してくれるかが大きなポイントになりそうです。