水素で走るトラック、大村知事が試乗 物流のCO2削減に期待 輸送事業者も感心
日本の乗用車と商用車の台数の割合は6対1。しかしCO2の排出量はほぼ同じだ。そんな中、物流業界の脱炭素化を図ろうと、水素で走る燃料電池小型トラックの試乗会が行われた。
CO2がほとんど出ないほか、エンジン車よりも振動が少ない。ドライバーの疲労軽減にもつながるという。普段、エンジン車を乗りこなす輸送事業者の反応は?
大村知事も体験!水素で走るトラックの魅力
みよし市にあるトラックの研修センター。そのテストコースでトラックを運転しているのは、大村秀章知事だ。乗車していたのは、水素で走る燃料電池小型トラック「CJPT FC小型トラック」。「音がしない。加速がすごい」と感心している様子だ。
大村秀章知事:
「慣れると非常に運転しやすいんじゃないかな、と。ゼロエミッションとして、愛知県としても後押しをしていきたいです」
CJPT FC小型トラックは水素と酸素で電気をつくって走るため、走行中はCO2を出さないのが特徴。物流業界の脱炭素化に向けて、水素で走るトラックへの理解を深めてもらうための試乗会での一幕だ。
現在、日本の乗用車とトラックをはじめとする商用車の台数の割合は6対1だが、CO2の排出量はほぼ同じ。その理由は2つあるという。
トヨタ自動車 濱村芳彦さん:
「1つは(トラックは)クルマが重いこと。もう1つは1台の走行距離が長いことです。(エンジン車が主流の)商用車で水素を活用することは、環境に対しては非常に大きなメリットがあります」
輸送事業者「環境の良い中で休息を取れる」
試乗会では、輸送事業者も水素で走るトラックの運転を体験した。試乗した人の中には「静かすぎて逆に気持ち悪い」と話す人も。水素燃料で走るトラックはモーターで走るため、エンジン車に比べて振動が少ないからだ。一方で、長時間運転するドライバーにとっては疲労が少なくなるというメリットがある。
試乗会参加者:
「どうしても運用上、トラックの中で休憩することがあります。真夏や真冬は(休憩中も冷暖房のために)エンジンをかけざるを得ない。通常の“アイドリング”状態でCO2を出すことはないので、ドライバーにとっても環境の良い中で休息を取れるのはすごく良いです」
「坂道発進は普通の乗用車の感覚で楽なんでしょうね」
環境に優しいトラックの未来
トヨタ自動車 濱村さん:
「まず興味を持ってもらい、使ってもらう。そして『水素を使って良かった』と思ってもらい、台数が増えて(生産)コストが下がればさらに普及が進みます。そんな社会が早く来たらいいな、と思います。そのために、我々も一生懸命に取り組んでいます」